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ヒモトレ介護術 第九回 「理想の介護を求めて ヒモトレで結ばれたJさんとの出会い」

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「ヒモ一本でカラダが変わる」と話題のヒモトレ。中でも関心が高まっているのが、介護分野でのヒモトレの可能性だ。

そこでこの連載では、主に在宅医療の現場でヒモトレを活用している浜島治療院院長の浜島貫先生に、実際の使い方や臨床的な意義を紹介してもらおう。

ヒモトレ介護術

第九回 「理想の介護を求めて ヒモトレで結ばれたJさんとの出会い」
お話●浜島 貫
文・取材・構成●北村昌陽
監修●小関 勲

今回は、原点に帰って、私がヒモトレと出会うきっかけになったエピソードから話を始めましょう。ご登場いただくのは、87歳女性のJさんです。

Jさんは、数年前にご主人を自宅で看取っており、そのあとは自宅で一人暮らしをしてきました。施設などに入る選択肢もあるのですが、ご自身の意思で「家を守る」と選択されました。

Jさんはとても聡明な方です。世の中のことや、自分と周囲の状況などをきちんと把握したうえで、自分の生き方についてご自身で判断しています。

ただ身体面では、いくつかの問題を抱えていました。一つはひざ。ひざ関節の変形がかなり進んでおり、曲げ伸ばしをするとゴキゴキ音がして、関節が横に揺れるような状況でした。リハビリを担当するスタッフが、ひざのリハビリ運動をしても良いか再度、主治医に確認して下さいと言ったことがある程でした。

また腋窩神経麻痺が残っていて、手を上げることができません。そのため、服を着替えたり、高いところにあるものを取ったりするのは、一人では難しい状態でした。

そういったいくつかの問題はあるものの、自宅を改装したり、さまざまな在宅サービスを利用することで、一人暮らしを継続されていたのです。

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