実践、超護身術 第五回 身を護るための「証拠保全」 01
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武術の根幹と言えば身を護ることにある。法治国家である現在の日本においてもそれは同じだ。時として、理不尽な要求や暴力から自分や大事な人の身を護るためには、決然と行動を起こす必要があるだろう。しかし、そうした行為もまた、法で許されている範囲の中で行わなければ、あなた自身が法に裁かれることになる恐れがあるのも事実だ。
では果たしてどのような護身が有効なのか?
本連載では元刑事であり、推手の世界的な選手でもある葛西真彦氏に、現代日本を生きる中で、本当に知っておくべき護身術を紹介して頂く。
元刑事の武術家が教える、本当に役に立つ術
実践、超護身術
第五回 身を護るための「証拠保全」 01
文●葛西真彦
動画や録音の証拠価値は目撃者より上
証拠の保全、これは日常の間接護身で非常に大事なことの一つです。
証拠として集めた資料をどう活用するかは、状況やその後の流れによって変わりますが、例えば音声や動画を撮影した証拠の場合、第一回目で例に出したような複数の人間に恐喝され、逆に相手を制圧したら、「一方的に暴力を振るわれた」と警察に主張して陥れられそうになった場合などに、録音や撮影などは有効です。
「許可なき撮影は盗撮だ」と、問題になると言われますが、私企業や個人の防犯カメラを含めれば色々な場所で、私人が撮影をしているのが当たり前の現状です。特にトラブルが起きそうな状況と予測できた場合、証拠保全を前提に撮影または録音することは、間接護身的に自分の社会的生活を守るには、必須の時代なのかもしれません。
実際、目撃者よりも、音声または映像による証拠のほうが、裁判官を納得させる顕著な証拠となり、もし裁判になったときには裁判官に対しての信用度合いが著しく違い、裁判になる前に交渉で解決することにもつながります。
そうしたこともあり証拠を確保する“証拠保全”を実施することは、頭に入れておいて生活したほうがいいと私は考えています。
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