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DX戦記~DXが出来ない3つの要因(その3)

このシリーズは、DXが出来ない要因を3つにまとめて、シンプルに説明しようと試みの第三弾だよ。

ちなみに、第三弾といえば、ビックリマンシールでは初の悪魔ヘッド「スーパーデビル」が登場したんだ。ちなみに第一弾は「スーパーゼウス」、第二弾は「シャーマンカーン」だったけど、どうでもよい話だったね!

ちょっと振り返り

第一弾では「業務の管理統制をしない経営層」だったね。これは、日本の経済成長を支えてきた「現場力」が、現場の業務が分からなくしているので、トップダウンの管理統制型の組織と比べて、相対的に変化のスピードを緩慢にしているという事だったね。

第二弾では「業務のITリテラシーが低すぎる」だったね。LINEやらメルカリみたいな<消費財のIT>は使えるけど、<生産財のIT>は認識すらできていないレベルだという事だったね。クルマなら「タクシーの乗客と、大型トラックの運転手」くらいの立場の違いがあるのに、タクシーの乗客のつもりでいる状態なんだ。

じゃ、振り返りはこれくらいにして、第三弾の要因について話そうか。

DX阻害要因その3
~IT屋さんとの付合い方の誤り~

IT屋さんとの付き合い方が分かっていなくて、DXできないケースも多いんだ。少なくとも、僕が見てきた中ではそうだ。

誤りポイント(1)
IT屋さんが知っているのはITであって、あなたの経営や課題ではない

餅は餅屋なので、IT屋さんは自分の扱っている範囲のITは詳しいはずだ。
だけど、彼らはITの知識はあるけど、経営の知識はないし、業務の課題を特定する能力もないんだ。

だからIT屋さんが、がんばって、誠実に考えて「良かれ」と思っても、外れていることが多々あるんだよ。

誤りポイント(2)
IT屋さんにも、いろいろなビジネスモデルがある

餅は餅屋だから、八百屋さんに行っても餅は買えないんだ。

ITとひとくくりに言われがちだけど、実はいろいろな種類があって、利益となる部分が全然違うんだ。

例えば、サーバー屋さんは、サーバーを売らなければ利益にならない。
ソリューション屋さんは、自分がマージンを取れるソリューションを売らなければ利益にならない。

だから「IT屋さんだからIT詳しいだろう」なんて安易に考えて、提案を鵜呑みにすると、実際は、そのIT屋さんが利益をとれるものだけしか提案されてないんだよ。

誤りポイント(3)
IT屋さんのレベルもまちまち

餅は餅屋だけど、その餅屋にもレベルがあるよね。
そのレベルも、全般的にレベルが高い・低いというケースもあるけど、あるジャンルはレベルが高くても、他のジャンルがそうじゃないって事のほうが多いから、判断するのは結構むずかしいんだよ。

よくあるのが、IT技術の進歩についていけていないIT屋さんだ。IT屋さんのおかれている環境は厳しい。ITは、5年たてば技術の半分は変わっていて、10年たてば技術の殆どが変わる世界なんだ。
変化についていくのに失敗すると、10年前は高レベルでも、5年前には中レベル、10年後には低レベルになっていたりする。

だから、IT屋さんのレベル、特に「そのジャンルに対するレベル」を見抜けないと、低レベルのITを買う事になって、どう頑張っても使えないって話になるんだ。

IT屋さんと上手く付き合うには

じゃあ、IT屋さんと上手く付き合うには、どうすれば良いかって話だ。

経営や課題の具体的な解決方法をITレベルまで落とし込んでからIT屋さんとコンタクトする

まずは、これが必要だよね。IT屋さんは、経営や課題を特定したり、解決方法を考えたりすることは出来ないから、ちゃんと自分で考えるんだ。

IT屋さんに分かる言葉で言えば「要件定義」(課題の具体的な解決方法)というよ。

これをIT屋さんに渡して、そのIT屋さんが具体的な解決方法を提供してくれるかを見極めるんだ。

これをするには、前に話した「業務の管理統制」と「業務のITリテラシー」が必要なんだ。

そのIT屋さんのビジネスモデルを知る

これは、ウェブサイトを見て取扱品を見たり、営業さんの説明を聞きながら判断するんだけど、工夫が必要だよ。

なぜなら、売り手と買い手の知識量に、大きな差がある市場では、表に判断材料を出さないのは大原則だから、素直に見ていてはさっぱり分からないんだ。

だから、社長のメッセージや、商品の説明に割いているスペースの量、サポートサービスの説明を見るんだ。

だいたいにおいて、社長のメッセージは「こうやって儲けるぜ」という話だ。そして、商品の説明に割いているスペース量は、何に力を入れているかが如実に表れるんだ。最後に、サポートサービスの説明を見ると、おおむね主力製品の事しか書いていないんだ。

これらを分析すると「あ、この会社、こういう風に利益を得るんだね。だからこういうものを、こういう風に売りたいんだね」とわかるよ。

これをするには、前に話した「業務のITリテラシー」が必要なんだけど、生成AIに分析してもらうのも手だよ。

IT屋さんのレベルを測る

これは、ちょっと難しい。そのジャンルでレベルの低いIT屋さんであっても自分たちが「自称ハイレベル」であることに気付いていないことが多いからだ。

だから、絶対という方法ではないけど、僕が判断するときの、いくつかの方法を紹介するよ。

まずは「新しいIT技術について、どう取り組もうとして、それが具体的にどういうメリットなのか」を聞くよ。この新しい技術というのは何でもよいよ。今だったらAIとか、クラウドとか、ニュースで見るようなキーワードでいいよ。

回答内容は肯定的・否定的のどちらでも良いのだけど、その説明の仕方を見て判断するんだ。

・レベルが低い場合
 →その結論の論拠を示せず、はぐらかしたような説明をするよ。
・レベルが高い場合
 →その結論の論拠、理由を説明してくれるよ。

ただし、これだけだと、その人の知見の要素が含まれるので、まだ質問をする必要があるよ。

次に「この商品は、どういう風に、どのタイミングで世代交代するのか」と聞いてみるんだ。これはIT屋さんのレベルを測る以外にも、それを買って半年でオワコン化したりしないかという意味でも重要な問いなんだ。

・レベルが低い場合
 →IT技術を追ってないので、世代交代の理由が説明できないよ。

・レベルが高い場合
 →IT技術の変化を予測してるから、世代交代の引き金となる要因を説明してくれるよ。

ただし、これは未来の事を尋ねているので、まだまだ、これだけでは判断材料が揃ったとはいえないよ。

さらに「仕様の説明か、マニュアルをください」と言ってみるんだ。

・レベルが低い場合
 →ボロが出ないように「買うまで渡せない」と言いがちだよ。万一、渡してくれたとしても仕様書やマニュアルの日付が古かったり、文章が難解だったりするよ。

・レベルが高い場合
 →渡してくれるよ。ちゃんとモノがあるからね。

まぁ、だいたいこんな感じかな。これでも、まぁ、相性問題みたいなものも出てくるけど、気まずい事になる可能性はぐっと減ると思うよ。

最後に

というわけで、DXが進まない要因を3つに絞って説明をする試みをしてみたけど、どうかな。うまく伝わることを祈っているよ!



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