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DX戦記~○学生にもわかる、組織がDXを成し遂げる技術(導入準備の巻)

やぁ、みんな。

ITシステムの導入が、予定通りの期日・コスト・機能で出来る可能性は半分か、それ以下と言われているよ。もはや半丁博打のようだね。

DXを進めるには、それ相応の覚悟が必要なんだね。
今回は、なんでITシステムを難しくする要因についてお話するよ。

対象とする業務が多くなるほど難しくなる

すごく当たり前だけど、対象の業務が多くなるほどITシステム導入は難しいんだ。なぜなら、業務の数だけ情報があるからだよ。

シンプルな手段の置き換えなら簡単

「手紙からメール」のようにシンプルな業務を、IT的なツールに置き換えるのは、比較的カンタンだよね。
メールアドレスと、メールアプリを用意して、パソコンを買って、使い方を教えればいいんだ。

業務と業務をITシステムでつなげるのは大変

みんな大好きなAmazon様の購入を考えよう。
Amazonは、欲しいものを見つけて、ポチれば家まで届けてくれるよね。すごく便利だ。僕たちにとっては、ポチる→決済する→受け取る、とてもシンプルだ。

でも、Amazonが何をしてるかというと、こんな感じだ。もっと沢山いろいろな事をしているけど、書ききれないので大雑把に書くよ。

  • 君の住所を確認する

  • 君の支払い方法を確認する

  • 君が支払った事を確認する

  • 商品の在庫を確認する

  • 君に渡す在庫の数から引く

  • 誰が配送するか決める

  • 君に配送予定日を伝える

  • 倉庫に商品を取りに行く人に伝える

  • 倉庫から取ったか、それが間違えてないか確認する

  • 配送する人に当て先と送るものを伝える

  • 配送する人が、間違えてないか確認する

  • 配送が始まったか確認する

  • ちゃんと届いたか確認する

  • 君に、配送が終わったことを伝える

  • 出品している人にお金を払う

まぁ、こんな感じだよね。

もし、この情報システムがうまく作れなくて、情報が途中で抜けたら、とても大変だ。

例えば、住所が配送する人に届かなかったらどうなる?
たぶん、配達する人は、Amazonのどこかの業務の画面を見て、手作業でリストを作って届け先を確認するしかない。

とても時間がかかるし、誤配送がおきなかったら奇跡だね。

ところが、

情報がつながってない情報システムは多々ある

というのが日本の現実だよ。
情報がつながっていない可能性が高いポイントは、以下のような感じだ。

いくつものアプリケーション画面を見ないと作業ができない

たとえば、宿題を提出するのに、

  • 掲示板を見て宿題を確認して

  • 別のサイトから宿題をダウンロードして

  • マイページに宿題やったよチェックをして

  • ファイル共有サービスに宿題をアップロードして

  • 最後にメールで先生に宿題提出を報告する

という手順は、どうみても情報がつながってないね。
たとえば、マイページに宿題が載っていて、宿題をダウンロード・アップロードできて、先生にも状況がわかるようになっていれば、すごく便利だよね。

でも、日本ではあちこちで情報がつながっていないんだ。
ちょっと前まで、役所で手続きをするときに、手続きをする人が、窓口から窓口に書類を運んでいたんだよ。

転記・コピペ作業が多い

まぁ、これは説明不要だよね。日本の職場って、ITシステム使っているのに、なぜか転記作業が多いんだ。
そのあたり、RPAが解決するのがちょっと流行っているみたいだけど、一時的にはいけど、根本的にどうかと思うよ。だって、そのRPAがサポート切れたら、また転記作業が戻ってくるからね。

どうしたら情報システムの情報がつながるか?

というのは、とてもシンプルだけど難しいんだ。

業務で何をしているか、そのほかの業務とどう関係しているかを書き出す

すごく簡単なようだけど、全然簡単じゃないんだ。

その業務の情報処理を、情報システムがやっていた場合は、そんなに大変じゃない。決まったことを決まったようにやっているだけだからね。

ところが、その業務を人間が全体~部分的にやっていたりすると、とても大変なんだ。

人間はコンピューターより高性能だから、複雑な条件で様々なパターンの業務をたくさんしているんだね。「Aのときは次はこう」「Bのときは次はこう」「A'ならこうして、こう」みたいな事をやっているよ。

だから、実際に紙に業務を書いてみると、思っていた量の8倍くらいで収まれば良い方なんだよ。

ちなみに、この時に業務を整理することもお勧めだよ。
例えば、途中でハンコを押していたりしたら「このハンコいるの?」とかだね。あと「これと、これ、いっぺんにできない?」みたいな事だね。
興味のある人は”ECRS”で検索してみてね。

その業務は、どんな情報が必要かを追加して書き込む

そして、情報処理の話なので、その業務をどうこう判断するのに、どんな情報を使っているのか、その情報はどこから得ているのか、を丹念に追っていくんだ。

これもまた、既に情報システムだけで完結しているなら楽なんだけど、人間が全体・部分的に担っていると、とても複雑で大変だよ。

例えば「電話して●●さんに確認する」みたいな事があったりすると、情報システムとしては、●●さんからその情報を得るのか課題になっちゃうんだ。

つくづく、人間は高性能だと思い知らされるね!

情報システムを入れたら業務(と前後の業務の情報のつながり)がどうなるか、を書き直してみる

これも大変だ。

まぁず、情報システムが何をできるか、どんな情報を、どう処理して、どういう結果を出すのか把握する事が必要だよ。1から情報システムを作るってのは、後々災厄になりがちなので、今はパッケージかクラウドを使う事になるので、よっく理解するンあd。

次に、ようやく業務と情報の流れを組みなおすよ。
ここまでくると、業務をよく知っているのでまぁまぁ早くできる。

でも、事前調査の時に抜け漏れが大体あるので、それに気が付くたびに書き直すので、時間はかかるよ。

と、こういったことをすれば、まずまず、情報システムを導入する用意が整ってきたといっていいよ。

最後に

とまぁ、降格と「ああ、大変なんだな」って君たちは思っちゃうかもしれない。でも、FAXをメールに置き換えみたいな、シンプルな置換えの情報システムではない場合は、こういう大変な事をしなきゃいけないんだ。

なぜなら、外してはいけない、とても重要な事だからね。

そんな大事な事を、偉い人が「よくわかんないから、やっといて」と、新人にお願いしちゃったり、システム屋さんに任せてしまったりすると、上手くいかないのは当然なんだ。


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