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DX戦記~○学生にもわかる組織がDXを成し遂げる編(経営戦略の巻)

やぁ、みんな!
最近、僕は、ICT(情報通信技術)を、経営者がどうやって経営戦略の中に入れていくのか、という難問に当たってしまっているんだ。

なんせ、経営戦略にICTを入れておくなんて、日本以外では1960年代から始まっている事だからね。

なのに、日本にいろんな経営テクニックが輸入されるときには、ICTがすっぽりと抜けた形で来ているので、IT音痴でも経営者になれちゃうのが日本の構造なので、なかなか難しい問題だよ。

なので、改めて、経営の計画の各段階において、ICTを

経営ビジョン・経営戦略の中のICTの置き方

経営ビジョンレベルでのICTのポジションについて

このレベルになると、50年とか100年を見越した顧客や社会への提供価値の基本定義、組織の存在する形や意義のレベルの話なので、ICTだけをやたら目たら具体的に書くことは出来ない。

時々、DXをうたっている組織もあるけど、この50年、100年の時間範囲でこの粒度の話するのは正直、違和感がある。

むしろ、このビジョンの中では、顧客や社会に提供する価値を高めるために、ICTに限らず、最新のテクノロジー、アーキテクチャに対する姿勢を表すくらいがちょうど良いと思うよ。

だって、100年後のICTなんてちょっと想像つかないよね。ちなみに、100年前のコンピューターといえば、ご存じの通り Z1 だけど、このころに現在のコンピューティングを推し量れる人類は、数名しかいなかったと思うよ。

経営戦略レベルでのICTのポジションについて

ここでは、10年とか20年の時間軸だから、見込みや、方向性でICTについて書くことが出来る。例えば、5年おきに基幹システムはアップデートし、10年おきに基幹システムは刷新する。この5年間でアーキテクチャをこうする、くらいかな。

経営戦略は、ビジョンよりも書き直しは頻繁に行わなきゃいけないものだし、これっくらいでちょうど良いんじゃないかなと思う。

実を言うと、経営テクニックで、戦略立案時にこの要素はちゃんと教科書に書いてあるんだ。そう、みんな大好きPESTだね。

P(政治)、E(経済)、S(社会)、T(技術)という視点で何が起きるだろうかを考えて、経営戦略を立てるんだ。

なぜか、やらない人が多いんだけどね。

事業戦略レベルでのICTのポジションについて

事業戦略レベルになってくると、時間軸は1年~5年くらいにグッと近くなってくるので、ICTのポジションも、実行に落とせる程度の粒度は必要になってくる。

この時のポイントは

  • 最新アーキテクチャの反映

意思決定システムから、サプライチェーンまで、アーキテクチャを踏まえてどうするか、新しく作るのか、今のものをいつ更新するのか、どう業務の枠をくみ上げていくのかという事を、事業戦略として定義していくんだ。

  • 更新を前提としたアーキテクチャ

そして、ICTのテクノロジーの変化に対応できるアーキテクチャにしておく必要があるよ。

ICTのテクノロジー変化は速い。例えば2020年時点で、生成AIがこれほどにサービス化されると予測できた人は少ないね。

今のところ、解らしきものはモジュール化だ。これは要するに、分離・差し替えが可能な部品としてICTシステムを繋げていくんだ。
それをするためには、業務をどうつなげるか、その繋がるところで、どういう情報のやり取りを行うか、ちゃんと設計しないといけないんだ。

20年位前に流行ったSOA(サービス志向アーキテクチャ)というのが、こんな感じなので、興味ある人は検索してみるとよいよ。

まとめ

今回は雰囲気だけの「自称DX」ではなくて、実際にICTが導入された結果「はたから見てDX」となる状態になるためには、どうやって経営の計画の中にICTをおりこんでいくか、について考えてみたよ。

  • ビジョンの中では、登場するであろう新しいテクノロジー、アーキテクチャに対する姿勢を明確にする。

  • 経営戦略の中では、PESTの要素の一つとして、テクノロジー、アーキテクチャの予測と採用方針(優先順位)を明確にする。

  • 事業戦略では、具体的なアーキテクチャの導入と更新を明確にする。

  • そして大事なことは、これなの中で「DX」なんて仰々しい言葉を使わずに、息を吸うように、経営情報システムとしてのICTがそこにある事。

この点を抑える事で、技術の進化や市場の変化に対応しながら、企業の目標を達成することができるんだよ。
だって、世界に名だたる企業の経営計画って、だいたいこれに該当するよ。

やっぱり経営者は、いつまでも、IT音痴で居続けられるわけではないんだよなぁ。。。


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