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組織にITリテラシーが無いのに、DXやAIを目指すのは微妙だと理解できない、経営の微妙さ(2)

前回の↓の記事の続きです。

DX時代に「経営」という弱点が露呈

正直、デジタルの何のといっても、すごくシンプルにすると「なんの情報をどう使うか」か「決めてあげれば爆速で行える」ということにつきます。

情報システムの中身はタヌキではダメ

よく、システムは、 INPUT→□→OUTPUT と言われますが、□の中身はコンピューターだろうが、タヌキだろうが構いません。

たまたま、タヌキよりコンピューターのほうが処理能力が高くて、精度も高いので情報処理システムの中身はCPUやGPUを使っている、というだけの話です。

そもそも、システムという言葉自体は、情報処理システムをさす言葉ではなくて、何らかの目的に沿ってインプットをアウトプットに変える組織や体系という広範囲なものです。

たとえば、タヌキの体組織は、地球上のけっこうな範囲で生存するために最適化されており、ビット演算には対応していないので、情報処理システムのコアになることはできません。

一方で、コンピューターは、与えらえた情報を決まった形で演算処理することに最適化された組織ですので、タヌキのように自生することは今のところできません。

というわけで、そのシステムの特徴から、情報システムの中身はタヌキではなくて、今のところは半導体の塊みたいなものになっています。

もっとでかいシステムを回すのが情報システム

で、今の情報システムというのは、たかが情報を爆速で扱うだけの機械にすぎません。ただし、情報というのはものを動かします。

人間の足音という情報を入手したタヌキは、即座にその情報の処理し、判断をして隠れます。ジャパネットタカタの番組が流れれば人は、何かが欲しくなって電話を掛けます。

つまるところ、何らかのシステムは情報を受け取って何か行動を行うわけです。人類は情報を利用して、様々なシステムを動かしてきました。それは経営においても同じことです。ローマ帝国は人口台帳を作り徴税を行いましたし、ペルシア帝国は駅伝で広大な領土に情報ネットワークを敷いて経営を行いました。

当時の情報システムは、パピルスや羊皮紙を馬や人が運搬するというものでした。なんせメディアが遅かった。
そのうち、電信電話が登場し、無線通信となって、それもどんどん帯域が増して情報量が増して今に至るわけですが、この進歩は恐ろしい。

指輪物語では、ゴンドールでホビットが狼煙を上げればローハンから援軍がやってくるというレベルですが、今の技術を使えば、ローハンのセオデンに的確に指示を与えて、サウロンの裏をかいてさっさとやっつけていたでしょう。むしろ、サウロンは謎の技術でナズグルとインターネット通信ができたのに、なんで負けたのか不思議です。

情報システムの強力さは、歴史上の天才に与えたと仮定すると、イメージしやすいのではないでしょうか。曹操や織田信長が、現代のITを手にした寺、何をしでかしただろうか、というあたりがイメージしやすいのではないでしょうか。

つまり、何かでかいインプット・アウトプットシステムを作るのに、情報システムというのは有効ということです。

経営では経営者のインプット・アウトプット構想のレベルが、そのシステムの情報システムのレベル

例えば、魏の曹操さんあたりは、まぁ、経営者として、あのあたりの住民に、それなりに幸せに生きてもらうために頑張っていたわけです。

そういう経営に苦労している彼に、ITシステムを自由に使ってよいよ、と言ったら、そりゃ目的のためにありとあらゆる使い方をするでしょう。

だいたい、紙よりも紛失リスクが低い電子契約書が出ているのに、「紙に印鑑を押さねばならない」なんて曹操さん、言うと思いますかね?

EDIで一瞬で処理できるやり取りを「電話、FAXじゃないとダメだ」なんて、曹操さんが言うと思いますか?

要するに、経営者の構想レベルが高ければ、情報システム以外のシステムをぶん回して目的達成するための手段として、情報システムは大いに活用されるわけです。

つまり、組織のITリテラシーが低いのは、深刻な経営力の低さの表れであるということ

なのです。
歴史を見ればわかると思いますが、相対的に優位な情報システムを持つ組織が、相対的に優位なシステムを作り上げやすく、勝ちやすいという結論は出ています。

というわけで、ITリテラシーが低いのにDXのAIのを目指すなんて言っているのは、かなり深刻な状態です。正直、ITリテラシーの高い人たちは、DXのAIのなんて言わずに使っているのですから。

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