「学問のすすめ」を読んで ~初編~天は人の上に人を作らず②
自己実現のために学ばねばならないということは解りました。では一体何を学ぶべきなのでしょうか。
福沢先生は、「実生活に役に立つ学問を優先しろ」とおっしゃいました。
まず先生が「実生活に役に立たない学問」とされているものは、「難しい文字を知る」「わかりにくい古文や和歌・詩を読んだり作ったりする」「文学や古典を学ぶ」ことのようです。これらの学びは、この本が著された明治初期においては学ぶコストが高いわりに実用に役立たず、日常生活に利用できないものでした。
では、先生のおっしゃるところの「実生活に役立つ学問」とは何か。
まずやらねばならないものとして、日常業務に必要な実用の学問として、「いろは四十七文字」「手紙の文章」「帳簿のつけ方(簿記)」「そろばんの練習」「はかりの計量法」
次に、「地理学」「物理学」「歴史」「経済学」「倫理学」これらを学ぶべき実用の学問『実学』であると定義されています。
内容は明治初期の社会の状況に即したものでした。
当時の識字率は男性で50~60%、女性で約30%であったから半数以上の人が文字を読み書きできなかったようです。
また、当時の効率的な計算手段はそろばんしかなかったので、当時そろばんに長けた人は重宝されました。
ここに挙げられたものは、時代背景を鑑みればどれも理屈に合うものばかりだといえます。
では、令和の現代においては何を学ぶべきなのでしょうか。
文字や文章作成法、計算法や日常的な科学、一般的な歴史、地理、倫理などの必要性は現代も変わらない重要なものでしょう。しかし重要がゆえに義務教育に組み込まれていて。勤勉な読者の皆様はわざわざ学びなおす必要はないでしょう。
ここまでを読んだ上での私の結論として、学ぶべきものとは、今と近い将来の自分に必要な学問だと考えました。
まず得意不得意に関係なく今の業務に必要な知識技能や思考法。これらを学べば今の立場での評価が上がり、自己肯定感、自己効力感の向上につながり心身ともに充実し、収入の上昇が見込めるでしょう。
次に、近い将来に自分が付きたい業務や成し遂げたい事柄のための知識技能や考え方を学ぶことだ。これらはあなたの夢や希望を叶えるために必要なことを学ぶべきでしょう。
仕事だけではなく私生活においても重要です。例えば、意中の異性に好かれたいとします。ただ好かれたいと思っていても好かれはしません。やみくもにアプローチしたところで場合によっては逆に嫌われてしまうこともあります。
それならば学ぶ他はないでしょう。
自分の磨き方、適切なアプローチの方法、情報はあふれているので、その善し悪しを見抜く力は必要になるが、それも学ぶうちに培われていきます。
ほかにも、プログラミングを学んでゲームを作ってみたい。本を書いてみたい。旅行に行く先について深く学び、より充実した旅行にする。などなど、人の欲の数以上に学ぶことは存在しています。
そんな、星の数ほどある学ぶことの中で最優先は、『今必要な学び』次に『かなえたいことに必要な学び』だと私はこの章からまなびました。
本日から、今学ぶべきことと将来のために学ぶべきことを洗い出し、すぐに学び始める心づもりです。