「クイズ体験者を生み出そうぜ」って話①

こんにちは。
今回は4月より茨城県ひたちなか市のイバフォルニア・ベースを拠点に行っている「早押しクイズ体験会」「昼下がりのクイズ会」を開いてみて感じたことを書いてみようと思います。…が、私の悪い癖で書くうちに文章が膨大になっていったので、何編かに分けてお送りします。

0.はじめに 私のクイズ遍歴

本題に入る前に、私のクイズ遍歴を簡単にお話しさせていただきます。

2007年(小6):高校生クイズで地元の高校のクイズ研究会の活躍をテレビで見て、「将来はここに行きたい」と考え始める。
2011~13年(高校時代):目標にしていた県立高校に合格、クイズ研究会に所属する。高校生クイズの予選やKQA例会等で、高2の終わりまで月に一度は東京へ行く生活を続ける。
このとき地元にクイズサークルが立ち上げられ、設立に関わる。問題集に名前が載ったり、関東予選で少し映ったりはしたが、大きな記録は残せず。
2014~18年(大学時代):関西の大学へ進学し、引き続きクイズ研究会に所属。大学のクイズ研究会としてはかなり自由なほうだった。高校大学合わせて4度目のEQIDENで初めて壇上で正解。
2018~23年(社会人):地元に帰って一年間就活浪人。無気力状態になりクイズを離れる。就職後は先述した地元のサークルに顔を出したり、高校のOBでオンラインクイズ会を開いたりと細々と活動を再開。
2024年:4月に思いついたように早稲田式早押し機を購入、クイズイベントを開いてみようと考え出す。

…書いといてなんですがかなりのクイズバカですね、コイツ。
自分の人生が終わるまでクイズしてるんじゃないでしょうか。
まあなにはともあれ、こんな感じで13年間クイズと関わってきた人間です。
というわけで以後、お見知りおきを。

1.とりあえず始めてみました。

さて、本題に入りましょう。
事の発端は会場としてお借りしているイバフォルニアベースのオーナーに「せっかくボタンあるならイベント開いたら?」と提案されたのが始まりでした。
その後はフェイスブックなどでも募集をかけて、ベースの常連の方と地元の大学生にご参加いただき第1回目の活動を開くことになりました。
私のほうでも準備を進めることになったのですが、今回の参加者は「競技クイズ」を経験された方や、クイズゲームやQuizKnockのようなメディアに普段から触れている方がおらず、「初体験」でのスタートになりました。

さて、ここで私の脳裏にひとつ疑問が浮かびます。
クイズサークルと同じノリでやっていいのか? 
と。

2.「押せない」と「響かない」:クイズ継続の壁

「なぜこんなことを思ったのか?」ですが、ここには私の過去の経験が大きく影響しています。
これまで何度か「初めてクイズをする方を迎える」という機会を担当してきたのですが、その中で新しい方の興味を奪ってしまったり、やる気をそいでしまうような「まずい経験」が少なからずありました。
特に以下のふたつが大きな懸念になると思ったので、今回紹介させていただきます。

・ボタンが「押せない」
まずは「早押しボタンが押せず、委縮してしまって活動に来なくなる」というケース。思い当たる方も結構いるのではないかと思います。
個人的には「問題が難しくて押せない」「大勢でやって押し負ける」「特定の人に解答が集中する」などが原因となることが多いです。
個人的にはボタンを押すというのはまずは経験してほしい要素かなと思っています。早押しクイズをやっていて、1問も答えられないというのは結構苦しいですからね。まあ、クイズサークルに入る方ってこういう状況をマイペースに突破してくるケースが結構多いんですが…。

・クイズが「響かない」
なんだか聞きなれない単語を使いましたが、要するに「当初は活動していたが、意欲が無くなってしまった」というケースです。
これは「クイズがあまり楽しめない」「自分が思っていたものと違った」「ほかにやることが出来た」などが原因となることが多いです。
個人的にはクイズとのファーストコンタクトの際に自分が思っていたイメージと、実際の活動の様子にギャップを感じてしまうと、この状態になる方が結構いるのではないかなと思います。
(※当日参加した大学生も、クイズサークルを見学したらこのケースに陥ったと教えてくれました)

3.そんなこんなで企画を立てた

さて、こんな疑問や懸念が続く中で企画を立てることになりました。
私が問題に重視しようと思ったのは以下の3つ。
・問題のうち7~8割は「最後まで聞けばわかるもの」を答えにする
 →ガチな問題も入れるが、参加者がまんべんなく取れる感じにする
・印象に残りやすい問題を重点的に入れる
 →バッグクロージャーなど、目にする機会があるものを扱う
・押した後に良いリアクションが出る
 →「分からない~」よりも「押せばよかった~!」的な感じ

さてこんな感じで条件を付けると、ほとんどの問題を自作することになります。というわけで90問ほど自作して当日に臨みました。ベースのオーナーからは「手間じゃないの?」と驚かれたのですが、過去の失敗も含めて言うと作問を惜しんだら企画は崩壊します。頑張りましょう。

4.「クイズ体験者」を生みだしてみる

そんな感じで過去3回、初体験の方をメインに活動のほうを行わせていただきました。失敗もありましたが好評を頂けたので、活動を続けていこうと思います。今後はこのクイズ会が「クイズ体験者」を生み出すポジションになるように頑張っていこうと思っています。

「…いや、体験者ってなんだよ?」

はい、突然見知らぬ言葉が出てきました。「クイズ体験者」です。
「初心者じゃないの?」と突っ込まれそうですが、「体験者」です。
なぜこう呼んだのかというと、今回の件や最近の界隈の事情を踏まえて「クイズ初心者」の意味を考え直す必要があるのかなと思ったからです。

私としては一般的に言われている「クイズ初心者」は
クイズについて独学や有志で勉強している
・レベルアップや実力試しのためにサークルや大会への参加を考えている

という感じに、「趣味やライフワークとしてクイズに関わりたいと考えている方」になるのではないかと考えています。
これに対し「クイズ体験者」は一歩前の段階にいて、

1.クイズに関する勉強をしていない~軽く問題を見た方
2.これからクイズを体験するor何度か体験した方
で、今後体験会などを繰り返しながら、初心者へとステップアップしていく段階に当たるのではないかと考えています。下図のような感じですね。

プレイヤーのロードマップ

こんな感じにクイズに対する楽しさを伝えつつ、経験を積んでもらうというのを一番の目的にしようと思っています。クイズや活動自体に興味がある方であれば誰でもお越しいただければと思いますし、あるいは「サークルや独学でクイズを行っているが、なにか違和感がある」という方でも相談に来ていただけると助かります。

というわけで、長くなってしまった第1回ですがここで閉じたいと思います。次回はこの「体験」について、もう少し掘り下げていく予定です。

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