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【医師論文解説】MRIで見えないメニエール病の"前兆"を電気生理学的検査で発見!?【OA】
背景
メニエール病は10万人あたり200-500人が罹患する慢性疾患です。
これまで内リンパ水腫(内リンパ液の異常な貯留)が病態の本質と考えられてきましたが、その正確な関係性はまだ不明確でした。診断は主に臨床症状(回転性めまい、耳鳴り、聴力変動など)に基づいて行われてきましたが、より客観的な診断方法が求められていました。
方法
2021年2月から2022年1月にかけて、39名のメニエール病患者(確実例32耳、疑い例11耳)を対象に以下の検査を実施:
電気生理学的検査
蝸電図(EcoG): 内耳の電気的反応を測定
歪成分耳音響放射(DPOAE): 外有毛細胞の機能を評価
画像検査
3テスラMRI: ガドリニウム造影剤投与4時間後に撮影
3D-FLAIR法による内リンパ水腫の評価
結果
確実例(DMD)での所見
MRI陽性率: 71.9%
電気生理学的検査異常: 94%
蝸電図異常: 68.8%
DPOAE異常: 62.5%
疑い例(PMD)での所見
MRI陽性率: 27.3%
電気生理学的検査異常: 82%
蝸電図異常: 63.6%
DPOAE異常: 36.4%
無症状の反対側耳
蝸電図異常: 34.3%
DPOAE異常: 28.6%
MRI陽性: 16%
その他の重要な所見
MRI陽性率は病歴が長いほど高かった
聴力閾値はMRI陽性例でやや高い傾向
めまい発作から検査までの平均期間は41日
議論
電気生理学的検査は早期から異常を示す一方、MRIでの内リンパ水腫検出はより進行した段階で陽性となる傾向が示唆された
無症状の反対側耳にも高率で異常所見が認められたことは、メニエール病の両側化リスクを示唆する重要な発見
疑い例での電気生理学的検査の高い陽性率は、早期診断のツールとしての可能性を示している
結論
内リンパ圧の異常は、MRIで検出可能な内リンパ水腫に先行して発生する可能性が高く、電気生理学的検査とMRIの組み合わせが診断精度向上に有用である。
※注意: この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスではありません。具体的な治療や生活習慣の改善については、医師に相談してください。
参考文献
Bachelet, Manon et al. “3T-3D FLAIR MRI in Menière's disease: associated profiles with clinical symptoms and electroacoustic characteristics.” European archives of oto-rhino-laryngology : official journal of the European Federation of Oto-Rhino-Laryngological Societies (EUFOS) : affiliated with the German Society for Oto-Rhino-Laryngology - Head and Neck Surgery, 10.1007/s00405-024-09029-6. 22 Oct. 2024, doi:10.1007/s00405-024-09029-6
この記事は後日、Med J SalonというYouTubeとVRCのイベントで取り上げられ、修正されます。
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