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【医師論文解説】鼻詰まりは脳の発達に悪影響?!驚きの研究結果が示す、呼吸と脳機能の深すぎる関係【OA】


背景:鼻呼吸と脳の発達、その知られざる関係

私たちは普段何気なく呼吸をしていますが、実はその呼吸、特に鼻呼吸が脳の発達に非常に重要な役割を果たしていることはあまり知られていません。今回の研究では、発達期の鼻詰まりが脳の神経回路形成、神経細胞の活動パターン、そして行動にどのような影響を与えるのかを、マウスモデルを用いて詳細に調べました。

方法:マウスモデルを用いた鼻詰まり実験

研究チームは、生後3日目と生後3週間のマウスに鼻詰まりを引き起こし、その後の脳の変化を観察しました。具体的には、小脳のプルキンエ細胞の活動パターン、シナプス刈り込みの様子、そして行動の変化(強制水泳試験、ローターロッド試験)などを調べました。

結果:鼻詰まりが引き起こす驚きの脳の変化

生後3日目から鼻詰まりを起こしたマウスでは、プルキンエ細胞の活動が過剰に同期していることがわかりました。また、運動能力の低下や、うつ病のような行動が見られました。一方、生後3週間から鼻詰まりを起こしたマウスでは、プルキンエ細胞の同期が低下しており、やはり運動能力の低下が見られましたが、うつ病のような行動は見られませんでした。

さらに、生後3日目から鼻詰まりを起こしたマウスでは、シナプス刈り込みが正常に行われず、プルキンエ細胞のカルシウム transientの頻度が減少していることもわかりました。

議論:鼻呼吸と小脳の深い関係

今回の研究結果は、発達期の鼻呼吸が小脳の神経回路形成に非常に重要な役割を果たしていることを示しています。特に、プルキンエ細胞の活動パターンの異常は、運動機能の低下やうつ病のような行動に繋がることが示唆されました。

また、鼻詰まりが低酸素だけでなく、呼吸パターンの変化、感覚入力の変化、ストレス反応などを引き起こすことも、今回の研究結果から示唆されました。

結論:発達期の鼻呼吸は脳の健全な発達に不可欠!

今回の研究は、発達期の適切な鼻呼吸が脳の健全な発達に不可欠であることを強く示しています。鼻詰まりは、運動機能だけでなく、メンタルヘルスにも悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

※注意: この記事は情報提供を目的としたものであり、医学的なアドバイスではありません。具体的な治療や生活習慣の改善については、医師に相談してください。

参考文献

Tanigawa, M., Liu, M., Sekiguchi, M. et al. Nasal obstruction during development leads to defective synapse elimination, hypersynchrony, and impaired cerebellar function. Commun Biol 7, 1381 (2024). https://doi.org/10.1038/s42003-024-07095-4

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