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【エッセイ】私の席の譲り方

電車に乗っていると、色々な人がいる。
私は大学の通学にJRと地下鉄を使うのだけど、
本当に色々な人がいる。

老若男女、国籍問わず。

私は、席を譲ろうって思った時に声が出なくなる時がある。
断られたらどうしよう。
なんて言い返そう。
言い返そうって言い方もおかしいけど、譲りたいと思ったから譲ってるのに、とムスッとしてしまいそうで。

そんな私の、席を譲る時のセリフみたいなものがある。

「私、次の駅で降りるので」

次で降りるから大丈夫ですよ、どちみちここは空きますよ、という意味を持たせてそう伝える。
そして、有無を言わさず私は立ち、席を譲る。

反応は様々だけど、なんだかんだ座ってくれる。
「ありがとうねぇ」と言ってくれる。

私がそうやって席を譲る時、大体はまだ降りる駅じゃない。5、6駅くらい先が私の降りる駅なことがほとんどだ。

次で降りるからと言ってる手前、降りないわけにはいかない。

私が座る時、大体ドアの近くの席に座ってるから、譲った相手が座るのも必然的にドアの近くになる。
私がドアへ向かえば、譲った相手はまた「ありがとうねぇ」と言っておじぎをする。

そうして降りた後、私は階段かエスカレーターか、その駅その場所によって様々だけど、そっちの方に向かいながら、一、二本違う車両に乗り換える。
さすがに私も、目的地に行かないといけないので。帰り道だと余計にどこかしら乗らなければと思ってしまう。

私は変だろうか。おかしいだろうか。

それでもいいかと思ってる。


だってこれは、わたしがやりたくてやったこと。


本当に降りる駅で降りた時、その姿を見られてしまったり降りる駅が一緒だった場合の気まずさは半端ない。

一度だけ、それに当たったことがある。

それでももう気にしない。
私が選んだこと。
私のやり方。



私の席の譲り方。
「私、次の駅で降りるので」

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