ほよこ

身のまわりに落ちているものを頭の中で煮込む癖がある。拾ったものでいろいろな想いを知る。…

ほよこ

身のまわりに落ちているものを頭の中で煮込む癖がある。拾ったものでいろいろな想いを知る。だから、つい何でも拾ってしまう。

最近の記事

初めての店で挙動不審になった日から3日間の日記のようなもの

レシプロソーが欲しい。 仕事となれば、初めての場所、はじめましての人も、久しぶりに会った親戚のおじちゃんや友だちみたいに一気に間合いを詰められるのに、私生活では、まったく頼りにならない自分である。 されど、自分でやらねばならぬ、行かねばならぬことはある。というわけで、初めての店へ向かった。 それは金曜日の昼下がり。 とにかく、庭が壊滅的に荒れている。手入れが必須なのはわかっている。 藤の木で生まれたキジバトのヒナたちも巣立ち、もう庭仕事を拒む理由などなにもない。にもか

    • 最強は鯉、 雄鶏の愛は至高

      中学生のころ。 わたしの家には、犬と猫と鶏と鯉がいた。 『一番強いのは誰か?』 そんなことを考えたのにはワケがある。「わたし」が最弱だったから。 犬は、わたしと散歩に出かけると、時折わたしの目を仰ぎ見て、さあさあこっちですよみたいな顔をして誘う。堤防や集落を勝手気ままに連れ回す。決まったルートをチャッチャと歩き、さっさと帰してはくれない。 猫はいつも、わたしが寝付くのを待ってから部屋にやって来る。寝ているわたしのおでこをトントン叩いて起こす。自動ドアのごとく反応をして

      • 自己紹介|わたしがのんびりと庭を眺めるようになった訳

        先日、姉と車で移動中のこと。 「この道もわたしが高校の頃まで砂利道だったのにね。ボンネットバスでさ」 と、唐突に姉が言った。 「高校の頃までって、いくらなんでもそれはないでしょ」と応えて、 わたしの脳は記憶をさかのぼる。 バスといえば、路線バスに乗って市街地の幼稚園に通っていた。姉とは歳が離れているが、姉の記憶が確かなら、ボンネットバスに乗っていたことになる。けれど、バスの形は覚えていない。 帰りのバス、終点まで乗るのはいつもわたしぐらいで、運転手さんと仲良しになった。

        • 消えた『投票所入場券』の怪に巻き添えを食う猫の段

          日曜日とはいえ、今日は仕事がある。 朝、出勤の準備を終えたところで、茶の間へ向かい、テーブルに置かれた『投票所入場券』を手に取る。その後、バッグの上に置いて、洗面所へ向かう。歯を磨き、いざ、出勤である。 「選挙の紙、持ったぁ」 「持ったよー」 家の奥から響く母の声に応えて、家を出る。 駐車場へ向かう途中、ふと、入場券をバッグに入れたか気になり、車のドアを開けたところで、念のためバックの中を確認する。 『あれ? ない』 玄関へ引き返して探すが、どこにも見当たらない。

        初めての店で挙動不審になった日から3日間の日記のようなもの

          初投稿|キジバトの雛が孵った日

          キジバトの雛が孵った。 我が家の小さな庭にはその面積にそぐわないツルを伸ばし放題の藤の木がある。毎年、成長期には日に数十センチも伸びるツルと格闘し続け、持て余してもいる。 見て見ぬ振りをしていたら、窓枠にツルが入り込み破壊されたこともある。窓を丸々交換という痛い出費となった。 それでも、花の頃の美しさは捨てがたく、庭を占領されるままにしている。何とも悩ましい木だ。 秋だというのにまだ暑さの残る頃、玄関を出たわたしの前をキジバトが余裕で歩いていた。キジバトはわたしを気に

          初投稿|キジバトの雛が孵った日