箸が転がってもおかしい銀座線のおばさん
始発駅浅草で席を確保し、いつしか私は眠りについていた。
だが、そんな私の眠りは銀座駅で破られた。
「この前ねぇ、私またしでかしちゃったのよー」
「どうしたのぉ?」
おばさん2人衆が私の前に立ち、世間話を始めた。
声は、前の席で眠る人の睡眠を破るに十分な音量である。
私の目の前にはおばさん達のへそがある。
(だが、おばさん達のへそを見ていたわけではない)
「それがね、テニスに行ったのよー。そしたらねぇ、何かいつもより動きにくいなあって思ったの」
「どうしたの?」
「私っ