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密輸1970

2024/07/25投稿

どちらかといえばほめです。
世にも珍しい一大海女スペクタクルであり、ここまでどんでん返しありのストーリーとは思いもよらず。
クライムアクションではあるが、そこまで真面目な設定でもない。
やはり、全体的にコミカル路線であることは間違いないです。
チュンジャとジンスクのシスターフッドは主題といってもよいもので、愛憎は表裏一体。
尊いなどというつもりはないが、目的が一致してからのバディ感あふれるムーブは見ていて心地よかった。

また、上映回数が少ないためか座席はほぼ満席で、随所に挟まれる笑いのシーンでは場内がざわめくなど。
なんだろう、やはりサメって笑ってしまうんですよね。
緊張からの緩和ではなく、まあそうなるのは分かりきってますよね、というお約束の展開に対してでしょうか。

特筆すべきはやはり海中シーン全般、海女という設定を存分に生かした見せ場の数々。
ここまで海女という職業にフォーカスし、かつエンタメ化している映画は他に類を見ない。
海女にとって一日の長がある舞台をふんだんに活かした密輸、バトルのどれもよい。
しかしまあ、よくあんなに息が続くものだなと。
全体的に微笑ましい海中戦ですが、さながら往年のサンダーボール作戦を彷彿とさせます。
なんといっても、手を引き合って上下に加速するアクションは見せ場。

チョ・インソン良いですよね、モガディシュ、ムービングなどで記憶に新しい。
二枚目でありながら、何処か茶目っ気がある中年男性の感じ。
クォン軍曹も、片目のボディガードも強かっただけにもっと暴れてほしかった。

音楽全般における、あの歌謡曲感がピンとくればもっと設定された世界観の理解が深まるはずなんですけれど。
文化を知らないことで情報量が片手落ちになるのは、毎度のことながら残念な気分になります。

裏切りが一番怖いという中での化かし合い。
同じ歌をうたうチュンジャとジンスクの繋がりは、過去だけは自分に優しいということを思い出させてくれます。
あの頃、というやつです。


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