インサイド•ヘッド2
2024/08/29投稿
どちらかといえばほめですが、感情のキャラクターが増えたことにより、とっ散らかった印象も受けました。
そしてライリーのあまりの痛々しさに、共感性羞恥がバシバシ刺激されるスリリングな内容です。
なんだか生存のための苦しさ詰め合わせで、辛い。
10代のあの頃にしかない感情の乱高下や身体の変化。
大人になってしまえばそんな事もあったくらいのものですが、誰もが通った道である分、共感は得られやすいでしょう。
だめな自分も受け入れるという自己肯定は、諦めとともにいずれ身につくたぐいのものですし。
狂言回しであるヨロコビの猛烈な会話スピードもさることながら、同じポジションに取って代わるシンパイも方向性の違いはあれど、行動力が凄まじい。
字幕で鑑賞しましたが、吹替ではまた違った印象を受けるのかもしれません。
ライリーのため、という本人の意思そっちのけの理想像を目指して突っ走る彼らですが、そもそもその理想は誰が決めたものなのでしょうか。
理想があるから感情達はそれを目指すのか。
それとも感情達の行動いかんで変化していくものなのか。
前作でも感じたことですが、今作はとくに感情の変化が急な分、ライリー本人の描写は操り人形のように思えてしまいます。
感情に支配された意思のないロボットかのようで、ちょっとやりすぎているのではとも。
さまざまな感情の化身であるヨロコビ達もまた、それぞれ苦悩し迷いを抱えています。
そんな彼らにも自身が象徴している感情以外の感情が存在するものだから、なんともややこしい。
”喜び”が苛立ち、落ち込み、”心配”が泣き、”怒り”が思いやったりなど。
慣れた頃に幕引きとなるのも勿体ないんですよね。
とはいえ、ライリーと同世代で、リアルタイムでの成長を同じく過ごせる人は羨ましい限り。
それこそ「私の物語」たりえるのではないでしょうか。
また、人生の転機は目白押しですから、続編への期待も高まります。
1人の生涯を追う、という特殊なシリーズとして確立できるでしょうし、時代の価値観に合わせて、恋愛や人間関係、子どもなど描ける幅はそれこそ無数にありますね。
大人になっていくということ、成長とトレードオフ。
思い出とそれらを形作る感情を、自身に当てはめて考えてみるいい機会でした。
自分らしさと、信念について考えさせられる作品です。
関連情報
https://www.disney.co.jp/movie/insidehead2
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