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「正しいけどつまらない表現」に陥ったデザイナーには抽象画が効くよ!って話。

こんにちは。旅するアートディレクター / デザイナーの市角です。
毎週木曜日は #デザイナーの頭の中 と題しましてデザインやブランディングに関するいろんな事を書いてます!


今回はアートとデザインの違いについて

よく仕事で「デザイナーです」と自己紹介すると、「アーティストさんなんですね?」とか言われてむず痒い気持ちになることがあります。
アートとデザインって結構違うんです。


一般的に言われていることですけど
アートが主観的で問題を問いかけるアプローチなのに対して、
デザインは客観的に問題を解決する手法をとります。どちらかといえば。
デザインにはつねに目的やミッションがあり、そのために表現手段を用いるイメージ。

純粋な表現ってしないんです。そこにはタクラミがある。
お客さんに売上に貢献したり、認知拡大したりなんらかの達成すべき目標があって、それに沿わない物はどんなにいいものでも作っちゃダメです。

で、デザイン畑にずーっといるとそのタクラミからはなれて
純粋に何かを表現するのって楽しそうだなあとあこがれたりもするんですよね。

身近に抽象画を描いている素敵な画家 川島房恵さんという方がいまして、先日その方のプロジェクトで私も抽象画を描いてみることに。


画家の川島房恵さん

ちなみにこの川島さんがやっているアートユニットのPVを撮影・制作させていただきました。




生まれてはじめて目的も対象もない絵を描いて思ったこと



こちらが今回生まれてはじめて描いた抽象画。
川島さんのスタイルは絵の具をキャンバスにぶつけていきその時に起こる化学反応のようなダイナミズムに身を任せて、思いのままに広げていく感じです。

ジャズのフリー演奏に似てる感じですよね!楽器できないけど。笑

直前にアイスランドのことを考えていまして、あの人間の存在を許さない、原初の自然に圧倒された感覚、憧れにも似た恐怖と、雪解けの春の季節に人々が抱いてる希望みたいなものを考えながら描いてみました。


といってもどこがどこです!みたいに明確に答えられないですけど。なんとなくイメージ伝わるかな?


知らないうちにデザイナーが陥る「役立ちたい病」から一旦離れる訓練。

やってみて感じたこととして、
アタリマエのことだけど達成したい目的がない純粋な表現は自由で楽しいし、何のために?ばかり考えているデザイナーが陥ってしまう頭の固さ、思考パターンのタコツボ化解消にこれめっちゃいいなと。

というのもデザインって目的遂行のためにものづくりをするとは言っても最後の最後でクオリティを左右するのは結局デザイナー自身のひらめきとか感性による物がでかいのが事実でして、計算プラス偶然の結果生まれる産物が人の暮らしの役に立つ!みたいなのがデザインという営みなんです。


で、タクラミばっかり考えてるデザイナーはどうしても理性が強くなりすぎて、「これ面白い!けど意味がないからやらないほうがいい」だとか「個人的にはこっちがいい気がするけどデータではこう示してるから、、」と、自然と自分で自分にブレーキかけちゃう。

これを役立ちたい病と呼んでます。

デザインはアートとビジネスの間の橋渡しをする領域ですから、どちらかだけに偏らないのが大切。自由な感性という心の中の獣をうまく制御して世の中の道具にさせる作業。獣が家畜になってしまっては本末転倒です。
正解なんだけどなんか面白くない、そんなデザインばっかり大量生産しちゃう。

そんなとき、抽象画っていうアプローチはめちゃめちゃいい脳のストレッチになりますね。。ただひたすら猛獣になれる気分。

久しぶりに表現の楽しさというか暴力性というか、、歯止めが効かない感じを味わえて満足しました。

そして最近絵を描くのが大好きという我が甥っ子も参戦してこんな絵を。
叔父馬鹿なのはわかってますがいいですよね?いい感じ出てますよね?



甥っ子は多感なティーン・エイジャーのため顔出しNGだそうです。かわいい。

お互い自由に表現する楽しさを味わい語らいながら
好きなアニメとかを通して表現の話をして
ココスで夕飯食べるというただの最高な一日を過ごしました。

表現することについてあれこれ深く話せる人が身内に出てくるってすごいありがたいことです。幸せってこういうことだなーとおもう1月でした。


そんな感じで木曜日は #デザイナーの頭の中 書いてます!
デザインについてのお話、他にもありますので興味があったら。



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