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お寺・仏教系のデザインってどうやるのが正解なの?(研究団体WEBサイト編)


こんにちは。デザイナーの市角です。デザインしたり映像作ったりしながら、大学で准教授としてデザイン思考について教えてみたり、デザインの考え方とやり方を学生さんや企業、自治体さんに伝えたり一緒になって考えています。


今回はWEBサイトを作るときのデザイナーの頭の中シリーズ。
題材にするのはクライアントさんとしてはちょっと珍しい、仏教関係!第一弾は日本仏教鑽仰会さんのWEBサイトです。


偏見をなくし誰にでも触れてもらうために


ご依頼頂いた日本仏教鑽仰会という団体は、特定の宗派とは関係なく、様々な宗派のお坊さん、仏教や東洋哲学の研究者の方、はたまた医療に携わる方などいろんな方をお招きして、一般の方に仏教全般に関する理解を深めてもらうことを目的としています。
(宗教団体ではなく、葬祭場さんの社会貢献活動が母体です。)


主に中野サンプラザで毎回違う講師を招き、講演を行っています。

講師としては NHKこころの時代に出演されているお坊さん、ネルケ無方さんとか、私がWEBサイトをデザインさせていただいていた、サンフランシスコ禅センターの所長をされている藤田一照さん明治学院大学名誉教授、阿満利麿さんなどなど、バラエティ豊か。



設立は昭和16年!とても歴史のある団体なんですよね。


さて、ここまで読んで「わあ面白そう!」
と思ってくれた方は今回デザインのターゲットの方ではありません。笑


「え?ちょっと、、その、、、大丈夫なの?」
「いや、まだちょっと安心できない」

と、いまちょっと身構えちゃったアナタのために、

特定の宗教団体、宗派とは関係なく
文化としての仏教への理解を深める場
であることを、どう正確に伝えるか?

がデザイナーとしてのミッションなわけですね。

そこで、
「ひと目見た瞬間に、ちゃんと団体の意図を理解してもらう」こと
特に
「宗教系のデザインにありがちな要素」を完全に排除して、「純粋な研究団体」としてのブランディングを心がけました。


研究団体に「ありがたさ」なんていらない

デザインから完全に排除したのが押し付けがましさとか一種の変なありがたさ
「私達のやってることは、素晴らしいものなんですよーー!?」

なキラキラオーラってありますよね。宗教団体のデザインってそれが無意識に出てしまうんです。だって中の人は素晴らしいものだって思っているから。

でもこの団体が目指すのは徹底的な客観性
俯瞰してみた文化としての仏教のデザイン。


中の人が作るものと外からの目を持つ人のデザインは真逆であるべきです。

ありがたさを消し去るために今回つかったのがスタイリッシュなデザイン。
20代の人が見ても違和感を感じない、フラットでモダンなデザインにしています。


ロゴデザインなんかこんな感じだもんね


案の定、この「変なありがたみのない」デザイン、クライアントの日本仏教鑽仰会の中の皆さんが、大変気に入ってくださいました。


客観性をデザインするために英語をつかったり、馴染みのないモチーフを。大仏さんとかでてくると自然と拝みたくなっちゃうんです。文化的な刷り込みで!それは今回絶対NGと考えました。



仏教全体を表すイメージってなんだ?


スタイリッシュなのはいいとしても、イメージとして使うモチーフは一体何を使えばいいでしょう?

日本のお寺とか仏像の写真を使ってしまうと「現存する特定の宗教団体」とどうしても結びついてしまいます。

そこで今回選んだのは「仏教の源流や多様性」を感じさせるデザイン。

具体的にはインドとかスリランカ、チベットなどで受け継がれるスタイルの仏教関係の写真たちでした。

源流とか別の流れを見せることで、文化としての側面を無意識に感じてもらえるようにしています。

主に仏教遺跡とかインド周辺の自然環境とか。
歴史と文化を感じさせるものを使用。

あと、団体の趣旨に近いので、あえてクリエイティブ・コモンズの写真を使い所有されていない人類の共有資産、集合知を扱う団体であることもここににおわせています。

最後にサイトご紹介!


お寺系シリーズまだまだ続きます



私の名前、市角壮玄がお坊さんぽいせいでか?
なぜか仏教関係のお仕事の依頼がたくさん来ます。笑
宗派も曹洞宗、浄土真宗にはじまり、宗派を超えたところなど、本当にいろんな団体やいろんなお坊さんから相談いただきます。笑

なので、実は仏教関係デザインシリーズ、また続きます。続きは来年やります!笑


そんなかんじで毎週木曜日は、#デザイナーの頭の中  シリーズ書いてます!
デザインについてのお話、他にもありますので興味があったら。


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