日本人は貯金が大好きなのに、なぜ政府は借金まみれ?
前回の記事「日本は財政破綻するのか?」について、多くの方からコメントや質問を頂きました。読んで真剣に考えて下さったことが嬉しいです。
国の財務は企業会計や家計とは全く違うメカニズムで動いているので、慣れるまでは直感的に理解しづらい部分もあるかと思います。まずは1番重要な「国債を発行した分だけ預金総額が増える」というポイントだけ抑えておいて下さい。
練習も兼ねて、前回解説した三角関係を使って、借金まみれになった日本の現状を見てみましょう。
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日本人は先進国で一番貯金するのが好きな国民です。
データを見ても日本人の資産は現預金に偏っています。
(日銀レポート「資金循環の日米欧比較」より抜粋、2018年3月末現在)
そんな国民性なのになぜ日本政府は世界一(GDP比、以下同様)の借金を抱えることになってしまったのでしょうか。
ここで、例の三角関係が登場します。
国債を発行した分だけ世の中の預金総額が増える、という話でした。
ということは、毎年国債を発行した分だけ預金総額が増え、それが何十年も積もり積もったのが今の国民が持つ預金総額だということです。
つまり、世界最大の政府債務と世界最大の預金総額は表裏一体なのです。
世界最大の政府債務の結果が世界最大の預金総額、と言えますし、
世界最大の預金総額の結果が世界最大の政府債務、とも言えます。
日本政府がこんなに大きな財政赤字を抱えているのは、私達がお金を使わずに貯金しているからなのです。私達が消費したり投資したりしないから、代わりに政府が仕方なく公共事業や減税を通して経済を活性化させているということです。
数字を使ってイメージしてみましょう。
米国政府が国債を発行して何かに使い、米国民の預金を100増やしてあげると、米国民はそれを使って経済活動を100増やすとしましょう。
ところが日本政府が国債を発行して日本国民の預金を100増やしてあげても、貯め込むのが好きな日本国民はそれで50しか経済活動を増やさなかったとしたら?
同じ経済効果を得るために日本政府は米国政府の2倍の国債を発行しなければなりません。
貯金好きの国民が政府に大量の国債を発行させ、大量の国債が国民の預金を増やしているのです。
たまたま日本人が大量の銀行預金を持っているから国債を何とか消化できている(よく聞く主張です)わけではなく、
国民が貯金しちゃうから政府は借金まみれなんです。
そういう意味では今政府が進めている「貯蓄から投資へ」という政策は素晴らしいと思います。国民を豊かにするとともに、財政健全化にもつながるわけです。皆さんも資産運用初めてみませんか?
少しでもそのお役に立てればと思い、私はこのノートを書いているのです。
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