金利は貧富の差を広げる
皆さん、「金利」というものを初めて知った日のことを覚えていますか?
私は覚えています。小学生のとき、お年玉を貯金した通帳を母に見せてもらいました。すると、「利息」という項目があり、お金が増えています。驚きました。
私「置いとくだけで勝手に増えるなんて。そんなあほな!」
母「お金持ちはもっとたくさん利息がもらえて、利息だけで生活できる人もいるのよ」
私「そしたらお金持ちがどんどんお金持ちになるやん。せこいやん。」
強烈な違和感を持ったのを覚えています。
おかしいと思いませんでしたか?おかしいんですよ。
金持ちが金持ちであることを理由にさらに金持ちになるなんて、どう考えてもおかしいんですよ。
「お金の値段」とか「もしそのお金を事業に使ったら」とか、変な理屈で「金利はあって当たり前」みたいに納得させられていますが、それは決して当たり前ではないのです。
金利なんて無くていいのです。
(正確に言うと、リスクフリーレートは実質ゼロでよく、貸し倒れリスクを取って人に貸す場合はその分金利はあるべきです。)
むかしむかし、農民は働いて得たもののほとんどを土地代として取り上げられました。言い方を変えると、金利がべらぼうに高かったのです。金持ちは何もせずどんどん豊かになり、必死に働く農民はいつまでも貧しいままでした。
近代になり、価値を生み出した人や企業はその多くを自分のものにすることができるようになりました。以前よりは良くなったものの、それでも金利負担はそこそこあり、金持ちはさらに金持ちになりました。
そして今、価値を生み出した人や企業はそのほとんどを自分のものにすることができます。金利負担は微々たるものです。金持ちは金持ちであるという理由だけではさらに金持ちにはなれなくなりました。逆に、お金を持っていなくても、価値を生み出せる人は金持ちになれるのです。超低金利で借りてくればいいのですから。
お金を持っていることによってお金が増える世界と、価値を生み出したことによってお金が増える世界、どちらがいいですか?
「金融緩和で儲かったのは金持ちだけだ」と批判する人がいます。
株も不動産も上がったので一時的にはそうかもしれません。しかし、長期的に見ると、超低金利は金持ちにとってつらいことです。お金を持っていることがアドバンテージにならないのですから。
貧しくても価値を生み出すことができる人は金持ちになれる。そんなユートピアに、世界は少しずつ近付いているのです。
素晴らしき超低金利。
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