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26卒学生のサマーインターン前意識調査から読み解く優秀層学生の最新就活動向


変化する市場と若者の価値観:26卒採用の新常識

採用市場の変化

近年、コロナ禍やデジタル技術の進展が影響し、採用市場が大きく変動しています。特にリモートワークが定着し、企業の業績回復とともに採用活動も活発化しており、ITや医療業界を中心に採用需要が増加しています。また、中小企業でもデジタル化を背景に採用活動の再開が進んでいます(『就職白書2023』データ集 | 就職みらい研究所)(2023年の採用動向は上向き?それとも…最新データをもとに解説 | 採用事情 | 採用ナレッジ | 株式会社内藤一水社) 。こうした市場の変化は、就職活動中の学生たちにも大きな影響を与え、従来とは異なる価値観や将来の見通しが反映されています。

若者の価値観の変遷

若者の価値観やキャリア観は大きく変わりつつあります。特に26歳以下のZ世代は、転職を前提としたキャリア形成を志向し、ゼネラリストとして様々なスキルを身につけたいと考えています。これは、従来の終身雇用とは異なる視点で、自身のキャリアに「変化」と「挑戦」を求める姿勢が強まっていることを示しています​(Z世代(26歳以下)の就業意識や転職動向 | 株式会社リクルート)。

26卒学生の新たな価値観を理解し、どのように対応するべきかを考えることは、優秀な人材を確保する上で極めて重要です。学生たちが重視する要素を採用活動に反映させ、柔軟な職場環境を提供することが、採用競争を勝ち抜くための欠かせない要素となります。
このような背景を踏まえ、以下に優秀な経歴を持つ26卒学生のアンケート結果を詳しく示します。彼らの考えや行動についてのデータを通じて、今の時代に見合った採用戦略の参考になればと思います。

旧帝大と早慶上智の傾向の比較

今回の調査では、旧帝大と早慶上智などの難関私立大学の学生に焦点を当て、就職活動の傾向を観察しました。

就活サイトへの登録時期

まず、大学のカテゴリー別に就活サイトへの登録時期を比較した結果、難関私立大学に在籍する学生は、旧帝大の学生に比べて早期から就職活動を意識していることが分かりました。この早期意識は、彼らの就職活動の進捗にも影響を与えていると考えられます。一方で文理比率を見ると旧帝大の方が理系の回答者が多く、全体として文系学生の方が登録時期が早いという傾向もあるかもしれません。

各大学群における就活サイトへの登録時期

サマーインターンシップへの参加意欲

次に、サマーインターンシップへの参加希望社数を比較したところ、難関私立の学生は旧帝大の学生よりも積極的に参加する意欲を示しています。この背景には、旧帝大の学生が研究や学業に重きを置き、就職活動よりも学問に集中する傾向が影響していると推測されます。実際、東京大学は授業や試験と選考が重なった際に選考日時の変更を求める声明を発表しており、学業を最優先とする姿勢がうかがえます(2023年度大学卒業・修了予定者の就職・採用活動について(要請) | 東京大学)。

各大学群におけるサマーインターンでの希望参加社数

これをさらに細かく文系/理系の学生に分けてみてみると全体として文系学生の方がサマーインターンのエントリーに積極的である様子が見られます。

各大学群の文系学生におけるサマーインターンでの希望参加社数
各大学群の理系学生におけるサマーインターンでの希望参加社数

学生がインターンシップで企業に求めているものは?

就職活動に対する趣向が異なる両者が、インターンシップで企業に求めることに違いがあるのかを探るために、まずインターンシップにおける内容や希望勤務形態、インターンシップ前の準備に関する違いを比較しました。

それぞれの大学群における学生が希望しているインターンの内容の割合


それぞれの大学群における学生が希望するインターンの実施形態の割合
それぞれの大学群におけるインターン前に企業に実施してもらいたいことの割合

その結果、両者がインターンシップに求める事柄はかなり類似していることが分かりました。ほとんどの学生が実際に業務を体験できる形式でのインターンシップを希望しており、オフライン形式での開催を望む学生も多い傾向があります。しかし、どのような形式のインターンシップが求められているのでしょうか。

オンラインもしくはオフライン実施を希望している学生について
それぞれの学生がインターン前に企業に実施してもらいたいことの割合

オンラインとオフラインの希望内容を調査したところ、実際に業務を行う形式やグループディスカッション形式を希望する学生の割合には、大きな差は見られませんでした。ただし、社員との交流はオフラインで行いたいという意見が多く、会社説明や業界研究はオンラインでの実施を望む学生が多いことが分かりました。これは、実際の社内の雰囲気を知りたいという学生のニーズを反映しており、会社説明は手軽に受けたいという希望があることを示しています。この2つの内容については、オンラインとオフラインのどちらで行うかに関しては慎重に検討する必要があります。

企業に求める環境

次に、両者の学生が企業に求める環境について調査し、26卒の学生は何を重視しているのかを明らかにしました。

それぞれの大学群における学生が企業に求める環境の割合

この結果から、旧帝大の学生はワークライフバランスを重視しているのに対し、難関私立の学生は収入の高さを重視する傾向が強いことがわかります。最近の傾向として、スペシャリストや独立を目指す新卒が減少し、安定を求める学生が増えている中で、旧帝大の学生もこの傾向に従う様子が見受けられます​(2025年卒 旧帝大早慶 夏期就職人気企業ランキング|ミキワメラボ)。一方で難関私立の学生ではワークライフバランスを求める学生が少なく、半数近くが収入の高さを重視していることが分かります。実際、慶應義塾卒者の30歳時点での年収は687万円で、全私大中でトップの水準を誇っています(〈受験シーズン〉慶應は高収入企業、早稲田は地域貢献 早慶が圧倒する就職実績、進路選択に違いも | AERA dot. (アエラドット))。

さらに、26卒学生が志望する業界を見てみると、IT業界を含むDX推進が活発な業種や、旧帝大の学生と比較して外資系メーカーや外資系金融など収入が高い職種を志望する割合が高いことが分かります。

各大学群における学生の志望業界

希望する働き方の分析

高収入を希望する学生は、どのような働き方を望んでいるのでしょうか。
企業に求める条件として「収入が高い」を選んだ学生に対し、「希望する働き方」に関する回答を分析しました。

企業に求める環境について「収入が高い」

左から「忙しいタイミングであれば残業は発生するものの基本的には仕事とプライベートは切り分けられている」、「定常的に残業をしつつ平日は仕事に打ち込み土日はプライベートの時間を重視する」、「残業はほぼ0で定時外はプライベートの時間に使うことができる」「仕事とプライベートの区切りはせず仕事に打ち込むことができる」と回答した学生の割合を示しています。このデータから、仕事でしっかりと収入を得つつも、平日・休日問わずプライベートも充実させたいと考えている学生が多いことが分かります。 

ターゲットに応じた採用戦略の最適化で、学生の心を掴む

今回のアンケート結果から、旧帝大と難関私立大学の学生の就職活動における異なる価値観と行動様式が明らかになりました。この結果を踏まえると、学生の背景に応じて採用戦略を変化させることで、従来の戦略よりも学生の興味や関心を引く機会が増加する可能性があります。
具体的には、難関私立大学の学生をターゲットにする場合、早期からインターンシッププログラムを充実させ、企業との接点を増やすことが重要です。また、高収入を実現するための明確なキャリアパスを提示することも効果的です。一方、旧帝大の学生を対象とする場合、学業に配慮したフレキシブルな選考プロセスやイベントを開催し、企業文化や労働環境の柔軟性、ライフスタイルの多様性をアピールすることが求められます。
これらの戦略を実施することで、企業はより多様な人材を確保し、学生の期待に応えることができるでしょう

優秀な学生を採用するなら外資就活ドットコム

今回の記事では、アンケート結果を基に26卒学生の動向についてご紹介しました。優秀層を採用するには、彼らの背景や就活軸、志向性をしっかりと理解しなければなりません。
「外資就活ドットコム」には、素晴らしい経歴をもち、将来に向けてのライフプランやキャリアを固めている学生だけでなく、大手企業のインターンにも積極的に参加するチャレンジ志向のある学生が文理問わず多く登録しています。
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調査概要

調査期間:2024年4~5月
調査方法:WEBアンケート
対象:2026年卒業予定の外資就活ドットコム会員(大学生のみ)
有効回答数:408名
・各項目の比率において、端数処理の関係で合計が100%にならない場合があります。
・本調査を引用される際には、「外資就活ドットコム調べ」と必ずご記載ください。

(外資就活ドットコム:2026年卒のサマーインターン前における就活に関する意識調査|外資就活ドットコム より引用)