第33話 前世の記憶
前世の始め
過去世での出来事が断片的に蘇り、ハジメはそれを受け入れ始める。
ナビ:夢の中でハジメは過去の自分と対話する
ハジメは再び夢の中で過去の自分と思われる人物と出会う。
過去の自分
ハジメ:今回の夢は僕ひとりだけ…
ハジメ:ということは…
ハジメ:個人の夢か特殊な夢のどちらかだ…
過去:よう!
ハジメ:あっ!あんたは…
ハジメ:過去の俺!会いたかったぞ…
ハジメ:よくも「あのとき」に僕を助けたな!
過去:なっ…おい!いきなりどうしたんだよ!
過去:あのときって何だよ!
ハジメ:とぼけても許さないぞ!
ハジメ:なんで僕を助けた?
過去:ちょっと落ち着けよ!
過去:何を言ってるのか意味がわかんねーよ!
ハジメ:友達を見捨てやがって!
ハジメ:あんただけは絶対に許さない!
過去:はああ?見捨てる!?
過去:何いってんだおめー?
過去:俺は誰も見捨てたりなんかしないぞ?
過去:なんで俺が人に恨まれなきゃいけないんだよ!
過去:ましてや未来の自分に…
話が平行線の二人のハジメ。
ハジメはあのときの文句を言い、過去のハジメは何も知らない素振りを見せる。
過去の自分との対話
ハジメ:あんたが俺を助けなければ…
ハジメ:友達は生きていたかもしれないんだ!
過去:だから言ってる意味がわかんねーよ!
過去:だいたい、なんで助けられたお前が俺に文句を言うんだよ
ハジメ:うるさい!僕はあのとき、あんたに助けられなくても…
ハジメ:生き延びることができたんだ!
過去:俺がお前を助ける?意味がわかんねーよ!
過去:俺は、お前を助けたことなんか一度もねえ!
ハジメ:それなのに、あんたは近くにいた友達を見捨てて…
ハジメ:遠くにいた僕を優先して助けたんだ!
過去:ダメだこりゃ…本当に何を言ってるのか…
過去:参ったな…どうすりゃいいんだ?
過去:んっ…待てよ…
過去との論争
過去:そういや…自由に変身できる賢者がいたな…
ハジメ:まだ、シラをきるつもりか…この薄情者!
過去:俺が薄情者!?
過去:言ってくれるじゃねーか、このガキが…
過去:ハジメ…お前、なんで俺が「過去の自分」だとわかった?
ハジメ:それはあんたが以前、僕に助言してきて…
ハジメ:夢の城で何を求めてここにって…
ハジメ:記憶を辿って真実を見つけろって言ったじゃないか!
過去:俺はお前とそんな会話したことなんか一度もねーぞ?
過去:それは本当に「過去の自分」か?
ハジメ:えっ…でも、あんたは僕に助言…
ハジメ:この前だって紋章を見つけて鍵を…
過去:ちょっと待て?
過去:俺は今、初めてお前に会ったばっかなんだぞ?
過去:お前とこうやって話すこと自体、初めてだぞ!
過去:お前からしたら俺は過去の記憶として見えているのだろう…
過去:だがな、俺からしたらお前は「未来の自分」だ!!
ハジメ:あっ…本当だ
ハジメ:あんたからしたら…僕は「未来の自分」だ
過去:俺からしたら未来の自分へメッセージを残そうとしているつもりだが…
過去:なんで、いきなり未来の自分から文句いわれなきゃいけないんだよ!
過去:俺が明日、明後日のことなんかわかるわけねーだろ?
ハジメ:はっ!!
ハジメ:確かに…そうだ
論争の終結
ハジメ:そもそも「過去の自分」って誰が決めたんだ…
過去:…だろ?
過去:だいたい、その「過去の自分」とやらにちゃんと聞いたのか?
過去:「あなたは僕の過去ですか?」って
ハジメ:いえ…聞いてないです…
ハジメ:過去の自分って僕の勝手な思い込みだ…
過去:いいか?ハジメ…
過去:いや…未来の俺!よく聞けよ…
過去:物事を全て自分主体で考えるなよ?
ハジメ:はぃ…
過去:世の中全てがお前の思い通りには動いていないんだ
過去:何があったか知らんが…
過去:調子乗ってんじゃねーぞ?
ハジメ:はぃ…
過去:わかったか?この若造が!
過去:わかったら、きちんと返事ぐらいしろ!!
ハジメ:はい!!
ハジメ:本当にすいませんでした…
ハジメ:全て僕が悪かったです!
過去の自分に論破され、おまけに説教を受けて反省するハジメであった。
つづく。
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