第80話 タマと天球
タマの想い
タマ:みんにゃ…
チビ:お主、どうしてこんな考えになったんじゃ?
タマ:よく聞いてくれたにゃ
タマ:オラには、この天球が唯一の希望だったにゃよ…
タマ:オラは200年前、独房で月明かりに照らされた、この「無色の天球」を見つけたにゃ
タマ:それからずっと…一緒に居たにゃよ
タマ:オラからしてみれば、この天球は…友達にゃ!
チビ:ううぅ…すまんの、タマ…
チビ:辛い記憶を思い出させてしまったのじゃ…
エリ:そうよね…
エリ:この天球が、あなたの唯一の友達よね…
巫女:……
巫女:…そんな過去が…
ハジメ:……
ハジメ:…タマ…無理してないか?
タマ:ハジメ…大丈夫にゃよ…
タマ:オラはこの天球、いや友達が…
タマ:ただエネルギーを吸収するだけのものじゃないと思うにゃよ
巫女:……
タマのひとつ
タマ:なぜかは分からにゃいけども…
タマ:この天球の存在に何か意味があるような気がしてるにゃ…
タマ:今もこうやって眺めていると…何かほっとけない気持ちになるにゃね…
エリ:タマ…
タマ:本当はこの天球ひとつで…
タマ:みんなの願いを叶えられたかもしれない…
タマ:もしかすると…
タマ:夢の世界をひっくり返せるかもしれにゃい…
チビ:泣けるのう…
タマ:みんなには悪いけども…
タマ:オラはこの天球の想いを叶えてやりたいにゃ!
巫女:……
タマ:せっかくのフル状態が無駄になるかもしれにゃい…
タマ:確信はないにゃ…でも…
タマ:きっと…この天球の本来の姿に戻るはずにゃ…
タマ:オラはそう信じているにゃよ
ハジメ:……
ハジメ:…これは無色の天球でもない…
ハジメ:…吸収のスフィアでもない…
ハジメ:…お前だけの…タマの天球だ!
タマ:ありがとにゃ…ハジメ
タマ:もし何もなかった場合はオラがエネルギーを貯め直すにゃ
タマ:オラの友達がまた輝く日を夢見て…
タマ:一生懸命、エネルギーを貯めるにゃ!!
巫女:……
巫女:タマ…ありがとう…
巫女:私は今まで、何かを見失っていたようだ…
巫女:スフィアハンターも…今日で引退だ!!
タマ:巫女にゃ…期待に応えられず…
タマ:ごめんにゃね…
タマ:巡り廻ってオラの手元にきた天球にゃよ…
タマ:オラは、この天球に出会えてよかったにゃ
巫女:全ての願いを叶えることは「黄道12星球」の役目だ
巫女:タマ、お前の持っている天球は…願いを叶えるためにあるのではない…
巫女:その天球は、お前だけの友達だ!!
タマ:ありがとにゃ…巫女にゃ!!
つづく。