ドラッカーの「自己探求の時代」でセルフマネージメント力を磨く
最近42の課題になかなか本腰を入れて取り組むことができていない。
やる気がないわけではないのだが、なぜだか億劫だ。
寒さのせいだろうか。
そもそも42では「授業や宿題」がないので、学習のペースメイカーのようなものがない。
「この課題は70時間」、「あの課題は120時間」など、課題を解くのに必要となる目安の時間は与えられているが、あくまでも目安であるし、その目安の時間を超えるとペナルティーがあるわけでもない。
一応期限というものは存在し、ブラックホールとよばれている。
これは、決められた期限までに課題を終わらることができなければ、強制退学させられるというシステムだが、現在ぼくはブラックホールまで69日もあるので、差し迫った危機でもない。
毎日をなんとなく過ごしていると、授業や宿題といった「外部からの時間の区切り」の有用性を感じる。
課題に対して期限を自ら設定し、日々の中で学習のリズムを生み出す力が必要だ。
ドラッカーからセルフマネジメントを学ぶ
自分の生産性を上げるために、昨日発見したのが、世界的な思想家・経営学者ピーター・ドラッカーによる「自己探求の時代」だ。
会社が一人一人のキャリアの面倒を見てくれなくなった現代、誰もが経営者の視点を持ち、自分のキャリアに責任を持つ必要があると説いている。
英語のタイトルは「Managing Oneself 」で、まさに「自分自身をマネジメントする方法」について書かれている。
英語版は下記リンクより無料で読むことができ、ページ数もたった10ページなので、英語のよい練習にもなる。
https://www.csub.edu/~ecarter2/CSUB.MKTG%20490%20F10/DRUCKER%20HBR%20Managing%20Oneself.pdf
新鮮だったのが、ドラッカーが「人は変われない」と言いきっている点だ。
多くの人は逆に「人は変わることができる」と信じているのではないだろうか。
本屋の自己啓発コーナーにいくと「自分を変える」ための本がたくさん存在し、売れてもいることからも「人は変わることができる」と考える人が多いのは明らかだ。
ドラッカーの主張は「人は変わることができないから、すでに持っている自身の強み・仕事の仕方・価値観に基づいて仕事を決めることが大切」というもので、筋が通っている。
「Managing Oneself 」要約
「Managing Oneself 」は短い文章ではあるが内容が濃密なので、下記にまとめてみた。
①自分の「強み」は何かを知る
・なぜ「強み」を知る必要があるのか?→ 「強み」の上にしか卓越したものは築けないから
・強みを知る方法は「フィードバック分析」
・何かを始めた場合、9か12ヶ月後に振り返り、成果を振り返る
・成果を上げることができない「弱み」も同時に知ることができる
・「強み」と「弱み」を知った後
・「強み」に集中する
・「弱み」を「普通のレベル」に引き上げるのは時間の無駄なので、しない
②「学び方・仕事の仕方」を知る
・読んで理解するタイプか、聞いて理解するタイプか?
・人と一緒に仕事をするのと、一人で仕事をするのと、どちらが成果がだせるか?
・人と仕事をするのが得意なら、どんな関係なら最も成果がだせるか?
・秩序だった職場か、ストレスの多い職場、どちらが成果がだせるか?
・大きな組織か、小さな組織か?
③自分の「価値観」を知る
・価値観を知る質問:朝、鏡を見て、鏡の中に「どんな価値観を持った自分」を見たいか?
・自分が務める会社や組織の価値観と、自分の価値観が合っているか確認する
④自分が所属するべき組織はどんなところかを考える
・自分の強み、仕事の仕方、価値観から総合的に考える
⑤「なすべき貢献」に焦点を当てるための3つの質問
・現在の状況でなされるべきことは何か?
・自分の強み、仕事の仕方、価値観をもとに、どうしたら最大の貢献ができるか?
・最大の貢献をするために、具体的にどのような成果をあげるべきか?
⑥同僚との働き方に責任を負う
・同僚の「強み・仕事の仕方・価値観」を知り、受け入れ、仕事に活かす
「知っていること」と「実際にできること」の大きなギャップ
「Managing Oneself 」を読んでみて、どこかで聞いた内容が多いと思っていたら、ドラッカーの『経営者の条件』という本で同じようなことを解説していた。
セルフマネージメメントについて詳しく知りたいという人にはこの本もおすすめで、手持ちの本を見返すと、書き込みや、アンダーラインでページが埋まっており、学びが多い。
この本はおそらく10年ほど前に読んだにも関わらず、自分はまだまだ「自分の強み」さえもはっきりと分かっていない。
「知っていること」と「実際にできること」のギャップに驚かされる。
そして「10年前から知っていたけど、今できてません」なんてダサすぎる自分が情けない。
自分に足らないのは明らかに「継続力」だ。
ドラッカーのいうように「人は変われない」ので、少しずつできることから取り組んでいこうと思う。