ドイツのほっこり絵本紹介:『ともだち』
最近ハマっているのがドイツの絵本。
コツコツと見つけては読んでいるのだが、昨日、お気に入りのコレクションに一冊が加わった。
その絵本のタイトルは『ともだち』。
以前に紹介した『きみがしらないひみつの三人』と同じ作者の作品である。
おなじ農場に住むネズミ、ブタ、ニワトリの仲良し3人組。
彼らはどこにいくにもいつも一緒だ。
かくれんぼやボートに乗って海賊ごっこするときも一緒。
食事をとるのも、もちろん一緒。
みんなで一緒に寝ようとするが…それはさすがに難しかった。
個人的にツボなのが、3人で自転車に乗る姿だ。
表紙の絵のように、ネズミとブタがペダルをまわし、ニワトリがハンドルを操作している。
なんという想像力だろう。
ユーモアいっぱいだが、息を合わせることの重要性を象徴しているようにも思える。
似た者同士ではなくバラバラな3人だが、違うからこそお互いに優しくいられるのだろう。
2人ではなく、3人というのがいい。
3人そろうことで、ほどよい距離感がうまれるているのがよくわかる。
そしてなによりも、作者であるヘルメ・ハイネの絵が素敵だ。
水彩画の繊細なタッチと、あたたかい色使いが目を楽しませてくれる。
読んでいるこちらまでが、美しい風景のなかで充実した時間が過ぎていくように感じる。
翻訳を担当しているのが、『エーミールと探偵たち』や『ソフィーの世界』、『夜と霧』も訳した池田香代子さん。
絵本にふくまれる言葉は短いゆえに、詩的センスを問われるが、本書は成功していると思う。
よい「ともだち」を見つけられるといいなと思える作品。
あたり前の毎日を一生懸命たのしみ、「ちいさな冒険」にすることも大事と感じさせられる。
そういったことが、じ~んと胸にひびいてくる作品だ。
折を見てなんども読み返したい。
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