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『脳が認める外国語勉強法』レビュー

海外への留学や移住といった、人生の選択肢をひろげるうえで、なんとか習得したい英語や第二外国語。

しかし語学学習は、長い時間を投入する必要があるので、習得までに時間がかかります。

時間がかかると分かっているなら、効率的に勉強したいですよね。

そんな時に役立つのが『脳が認める外国語勉強法』。

タイトルの「脳が認める」とは、「脳のクセにそった記憶の仕方」を前提とした語学学習のこと。

学習の労力が軽減されると同時に、学習の効果をあげることができます。

これから語学学習をはじめる人にも、社会人になって、英語や他の言語をブラッシュアップしたいと考えている人にうってつけの本です。

本書は大雑把にいうと「フラッシュカード(単語帳)の作り方」についての本だと思います。

なかでもメインはフラッシュカードアプリである、「Anki」を活用した学習法。

Ankiを活用することによって、いままでの紙の単語帳では不可能だった、「音声、画像、自動的な分散学習」を言語学習に組み込むことが可能となります。

音声はForvoという無料の音源サービスから、単語の発音をダウンロードすることが可能。

また、自分が選んだ画像を使うことによって、自分ゴト化でき、記憶に定着しやすくなります。

そして分散学習は、「忘れたころに覚え直すと、記憶に定着しやすい」という理論。

Ankiが自動的に復習するタイミングを教えてくれます。

具体的には、catという単語を覚えるならば、
①音声と発音記号
②自分が選んだ猫の画像
③近所の飼い猫の名前や、自分がつくった例文 → 自分自身の経験を記憶の助けにする
をAnkiのフラッシュカードに登録します。

単語帳というと、単語を覚えることに特化している印象を与えますが、Ankiのフラッシュカードのすごいところは、単語を覚えるだけでなく、「発音」と「文法」の学習にも使用できること。

本書では、そのやり方もくわしく説明されています。

そして、本書が提示する語学学習法で、いちばん新鮮だったのが「一番はじめに発音を習得する」こと。

さきに発音の習得をおこなえば、「単語」や「文法」、「作文」の学習を進める上での労力が軽減されます。

たしかに単語や文法を学んでいるとき、じっさいに声にださなくとも、頭のなかで無意識にしている単語の発音。

ですので、最初に発音をしっかりと学んでおけば、頭のなかの発音もきちんと行うことができ、変なクセがついてしまうのを防いでくれます。

また、最初に発音を鍛えることは、言語学習に必要な「母国語に翻訳しない」ことにもつうじるでしょう。

ちなみに、著者の母国語は英語で、本書に書かれた方法で、ドイツ語、フランス語、ロシア語、イタリア語、ハンガリー語、日本語をマスター。

そういった語学の達人が書いた本なので、内容に説得力があります。

英語学習をはじめたときにこの本を知っていれば、ムダな周り道をしなくて済んだと、非常に悔しい思いをしました。

現在ドイツ語を学んでいるので、『脳が認める外国語勉強法』で紹介された学習方を活用していきます。

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