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【超訳:ダ・ヴィンチの寓話】杉の木 - 大きな欲は身を滅ぼす
ダ・ヴィンチが生きた時代、上流社会のパーティーでは「動物寓話」を朗読することが流行りでした。
寓話とは、教訓ばなしで、人生になにかしらの気づきをあたえるもの。
ダ・ヴィンチもパトロンにとりいるため、「動物寓話」を朗読したであろうと考えられており、彼のノートにも、たくさんの「動物寓話」が残されています。
岩波文庫の『レオナルド・ダ・ヴィンチの手記 上』に、その内容がのっています。
この本は古めかしい日本語で書かれているため、現代語訳してみました。
ダ・ヴィンチのノートに残された寓話「杉の木」
杉の木はてっぺんに大きな実をつくろうと考えた。
そこで一生懸命、樹液を実に運ぶ。
しかし実が成長すると、その重みでまっすぐに伸びた杉の木をしならせることになった。
学び
とても短い寓話です。
身の程をわきまえない欲望を抱くと、破滅につながるということでしょうか。
この話で思い出すのが、漫画『キングダム』に登場する始皇帝の異母弟「成蟜(せいきょう)」。
父母共に王族の血を引いており、自分こそが王にふさわしいと考え、兄(のちの始皇帝)に対して反乱を起こします。
しかし、彼の反乱は失敗に終わることに。
王族の血をひいているという点では、彼は正統な後継者といえますが、平民をさげすんでおり、人望もありませんでした。
個人的には「身の程をわきまえない大きな野望」を持つことは、いいことだと考えています。
大切なのは、「その野望に見合った人間になること」かと。
上のダ・ヴィンチの残した「杉の木」の寓話でいうと、杉の木は、大きな実を支えられるように、まずは幹を太く成長させることが必要だったのだと思います。
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