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レビュー『AIエンジニアになるには』
一言でいうと、AIエンジニアの概要と、仕事内容を整理した本。
AIエンジニアになるには、数学、統計学といった知識が必要とされるのはもちろんのこと、好奇心や楽観的な性格に加え、世の中のさまざまな問題を解決しようとする人間臭さも欠かせない素質であることが分かります。
「AIエンジニアって子育て中のお母さんみたいだなと思います。お母さんは子供にいろいろなことを教えて、自分で考えて行動できるようになってほしいとがんばります。」という言葉が示すように、まだまだ発展段階のAI.
そんな人間の知能の再現を目指すAIを生み出すのがAIエンジニアで、本書はAIエンジニアについて詳しく知りたい人や、AIエンジニアを目指す人にオススメ。
以下、本からの学びをまとめます。
AIの種類
①特化型AI(弱いAI)
決まった課題や作業を行うAIで、例えば、人間のプロ棋士を破って話題になったAlphaGoは、囲碁を打つ特化型AI.
②汎用型AI(強いAI)
決まった課題だけではなく、どんな状況でも自分で課題を見つけて、能力を応用して問題を解決する。
AIの歴史
19世紀
・脳の神経細胞(ニューロン)が発見
・コンピューターの基本的アイディアが生まれた
第一次AIブーム(50年代後半〜60年代)
・迷路やパズルが速く解けるアルゴリズムが考え出された
・複雑な問題は解けない
第二次AIブーム(1980年代)
・知識をもとに答えを出すエキスパートシステムが実用化
・化学物質の構造式を決定するDendral
・感染症の診断や治療をサポートするMycin
・莫大なコストがかかる
第三次AIブーム(2000年〜)
・コンピューターの性能が上がり、ビックデータの時代
・コンピューターに学習能力をもたせる機械学習も発展
・機械学習をさらに発展させたディープラーニングも生まれる
・ディープラーニングは人の指示を待たずに、データを分析して学習していく
・ディープラーニングが出した答えが、なぜそうなったかを説明できない→説明可能なAIの開発が進む
AIが生活でどのように使われているか?
・検索エンジン(キーワードからユーザーの求める情報を推測)
・通販サイトのおすすめ機能
・音声アシスタント
・交通機関の乗り換え案内
・マッチングサービス
・Uber Eats
・生徒一人一人にあった学習サポート
・病気の発見から治療までサポート
・防犯カメラから異常をリアルタイムで見つけて知らせる(不審者、万引き対策)
・自然災害への供や被災時の対応
・クレジットカードの不正利用の検知
・SNS投稿の監視(ネットいじめを防ぐため)
・自動運転
・コールセンター
・商品の売れ行きや来客数予想
・不良品や不具合を発見
・AI面接感
・匠の技をAIで再現
データサイエンティストと機械学習エンジニアの違い
AIエンジニアは、業界内ではデータサイエンティストや機械学習エンジニアと呼ばれることもあります。
データサイエンティストは、データからビジネスチャンスを探すコンサル的な仕事。
そして機械学習エンジニアは、データ分析を行うためのAIにデータを学習させて、AIをつくり育てる仕事です。
ちなみにAIプランナーという仕事もあり、AIプランナーはAIを活用して新しい製品やサービスを生み出すための基礎知識をもつ人のことを指します。
AIの市場規模
富士キメラ総研によると、AIビジネスの市場規模は2015年には1500億円で、2030年には2兆1200億円にまで増加する見込み。
EY総合研究所の発表では、AI産業(あらゆる産業で活用されるAI機器やシステム)の市場規模は、2015年の3.7兆円で、2030年には87兆円。
ちなみにAIエンジニアの不足数は、経済産業省の報告によると、2018年のAI人材の数は1万1000人で、約3万4000人が不足。
2030年には14万5000人足らないとのこと。
2017年に行われた中国のテンセントの調査では、100万人のAI人材を必要としているのに対して、70万人もの人材が不足しています。
AIエンジニアに向いている人
・課題を見つけて解決策を考えられる人
・好奇心旺盛な人
・向上心を持っている人
・新しいものを作り出すことワクワクできる人
・相手の立場になって考えられる人
・自分の立場に対して責任感が強い人
・粘り強く取り組める人
・楽観的に考えられる人
必要な知識
・数学
・データサイエンス
・プログラミング(Python, R, Julia, JavaScript, C++など)
・機械学習
・ビジネススキル
・論文を読んで理解する力
おわりに
ディープラーニングの活用によって飛躍的進化を遂げるAI業界。
AIは、ウェブ検索から医療や防犯・防災、教育まで、無限の可能性を秘めています。
本書で一番興味深く読んだのが、そのAIの世界で実際にAIエンジニアとして活躍している方々へのインタビュー。
NTTにて、映像や画像から情報を探し出す技術を研究開発している方。
富士通で災害から津波を高解像度で再現し、AI技術を防災に活用する仕事に携わっている方。
スイスのチューリッヒ工科大学への留学し、AIエンジニアになった方が登場します。
AIエンジニアとしてのキャリアを歩みだしたいと考える人には、彼らのような先人の話が役立つはずです。
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