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【書評】無心に何かに取り組め!『理系脳で考える AI時代に生き残る人の条件』

AIによって現在の職業の約50%が代替されるといわれ、AIが人間の仕事を奪う未来は近い。

現在AIの替えの効く職業に就いている人は、AIが台頭を恐れているに違いなく、ぼくもその一人だった。

本書は2017年出版と少し古い本だけど、わざわざプログラミングやAIを学ばなくても、AI時代に生き残るために必要な「マインドセット」や「具体的なアクション」が紹介される。

簡単にいうと「生き方」についての本で、AIでは代替不可能な「新たなものを生み出す力」を身につけ方を指南する書だ。

理系脳の条件(マインドセット)

著者のいう「理系脳」とは、ただ単に学生の時に理系学部だったというものではなく、新しいもの好きで、未来志向、コミットの範囲が明確、コミュニケーションが合理的、な人たちのことをいう。

イーロン・マスクをはじめ、シリコンバレーの成功者にはこの「理系脳」を持った人が多く、今後の複雑な世の中を生き抜くために必要なのがこの「理系脳」である、と著者は主張する。

文系の学部出身でも理系脳になることは可能で、AIが仕事を奪うとされる未来を必要以上に怖がる必要はないという。

理系脳には4つの条件があるので、一つずつ紹介する。

①新しいものや変化が好き

新しいものとはSTEMの分野のことで、サイエンス、テクノロジー、エンジニアリング、マススマティクスを指している。

例えばスマホやVRといった、我々の生活を変化させる最新技術を搭載したガジェットを試し、新作が出たらすぐに買い替えて、即座に新しい機能を体験するような人のことだ。

飽きっぽい人と言えなくもないが、理系脳をもつ人は、常に新しい知識や技術を習得しているため、変化の早いAIやテクノロジーの世界に置いてけぼりを食らうことはない。

②刹那主義で未来思考

刹那主義とは、我を忘れて没頭することを指している。

刹那主義の反対がキャリア思考で、世の中のお手本と言われる「きれいなキャリア」を積むことに価値を置くことだ。

刹那主義的に目的もなく、好きなことのために時間を費やしているほうが、結果として知識が豊富になったり、技術上達に繋がるため、未来に向けて自己教育しているといえる。

③コミットの範囲が明確

世界を変えようと息巻く人たちよりも、目の前の課題を一生懸命クリアしようとしている人たちの方があっさりと世界を変える、と著者はいう。

それは、彼らが「自分が変えれること」に集中して取り組んでいるからで、言い換えれば、コミットの範囲を明確にしているからだ。

逆に、自分が変えられないこと(たとえば経済や政治)に対しては言及せず、興味すら示さないことも特徴だ。

④コミュニケーションが合理的

無駄なコミュニケーションがないことは理系脳の特徴だ。

例えば、彼らのメールの件名だけ読めば、メールの内容がわかる。

また彼らは、何について話すべきで、話すべきでないかの線引きがうまい。

具体的なアクション

本書では具体的なアクションについても紹介しており、どうしたら理系脳になることができるか?という問いに対して、個人的にグッときたポイントを挙げる。

・ベストを尽くす→自分の変えれるところだけに集中して取り組む
・仮説と検証を繰り返す
・競争をする→感覚ではなく数値目標を設定する
・SNSを戦略的に使う→面白いテーマで、興味深い文章をかく
・「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」を無心でプレイしてみる

おわりに

新しい物事に興味を示し続ける理系脳にさえなれば、AIがもたらす変化に対応することは難しくなく、むしろ変化を楽しみ、乗りこなすことさえできる。

「理系脳」とは逆に位置する「文系脳」の例としては、保守的、キャリア志向、人脈作りが人生の目的、自分とは遠い世界のことばかりにコミット、中身が無いのに話ばかりが上手い人たちのことを指す。

具体的にはSNSで食べ物の写真などをアップしている人や、「あーそうですか」以外の言葉が思い浮かばない発信、思い出話をしている人も当てはまる。

著者は「私が悪徳ブラック企業の経営者なら、文系脳の若者ばかりを採用し、使い倒すだろう。」と語り、搾取されやすい文系脳に警告を出す。

搾取されるのを防ぎ、主体的な生き方をし、AI時代を生き残るのに必要なのが「理系脳」だ。

本書を読み、「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」を熱中してプレイしていた自分は、正しかったと安心することができた。

来年発売予定の「ゼルダの伝説ブレスオブザワイルド」の続編も、理系脳になるための一貫として無心で取り組む予定だ。

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