レビュー 『外国語上達法』
外国語学習の名著といわれている『外国語上達法』。
語学の上達に必要なものは、結局は「お金と時間」であると看破した本でもあり、衝撃をうけました。
また、もし本当に外国を「読み書き話す」ようになろうとしたら、3年から5年はかかると、語学学習には長期戦が必要であることを教えてくれたのも本書です。
お金と時間を使って、じっさいに何を学ばなければいけないのかというと「単語と文法」であると著者は指摘しており、それらをどう学ぶべきなのかを簡単にまとめてみました。
単語
単語のまずは「1000語を覚える」ことが大切だといいます。
ここで重要なのは、頻度の多い単語から覚えるということ。
この1000語を覚えてしまえば、単語の構成がなんとなくわかるようになり、2000語を覚えるには、1000語につかった時間よりもはるかに少ない時間でおぼえることが可能になります。
外国語のテキストの90%が3000単語を使用することでできているらしいので、単語のゴールが明確になります。
そして意外だったのが、単語の記憶を確実にするために「書くこと」をすすめている点。
また、トリビアとしておもしろかったのが、フランス語の話し言葉の90%は、1000語で構成されている点です。
文法
文法についての興味深い学習法は、「まずは変化表を丸暗記」してしまうというものです。
1冊の文法書の中の変化表を、全部切る抜くと、10ページぐらいの分量に。
そのたった10ページを完璧に記憶するだけで、学習スピードを早めることができます。
著者は、1ページずつ進む学習とは別に、最初の1、2ヶ月で、まずはこの10ページを暗記することを推奨しています。
おわりに
現在ドイツ語の学習をしているので、「単語はまず1000語を覚える」ことと、「文法書は変化表をまずは丸暗記」することを早速とりいれていきたいと思います。
名著といわれるだけあり、骨太で腰のすわった内容。
さまざまな学習方法が氾濫するなか、語学学習の本質的なことに目をむけ、ぶれない自分をつくるのに役立つ本でした。