「限界的練習」をドイツ語の発音練習にあてはめると

「限界的練習」という言葉をご存じでしょうか。

心理学者のアンダース・エリクソンによって広められたコンセプトであり、『超一流になるのは才能か努力か？』で披露されました。

超一流と呼ばれる人たちが、普段どのような練習をしているのかを一言にまとめたもので、英語だとDeliberate Practiceです。

今回はその「限界的練習」の特徴と、ドイツ語の発音を学んでいるので、ドイツ語の発音練習に「限界的練習」を活用する例をあげたいと思います。

限界的練習の特徴

限界的練習は、スキルを向上させ、特定の領域において習熟することを目的とした練習を指します。

限界的練習の主な特徴は次のとおりです。

具体的な目標

限界的練習には、達成したいことをしめす、明確で具体的な目標を設定することが含まれます。

これらの目標は、現在のスキル レベルを超えて挑戦できるものでなければなりませんが、達成可能である必要があります。

集中

限界的練習中は、目の前のタスクに完全に集中する必要があります。

気を散らすものを最小限に抑え、深いレベルの集中​​力を発揮して学習と改善を最大限に高めます。

フィードバック

限界的練習において、フィードバックは非常に重要です。

指導者、教師、またはその分野の専門家などの知識豊富な情報源からフィードバックを求めることが成長を加速させます。

そして、自分のパフォーマンスを振り返り、改善すべき領域を特定し、必要な調整を行います。

反復と改良

限界的練習には、スキルやタスクに繰り返し取り組む必要があります。

スキルを小さな部品に分割し、各部品を個別に改善することに重点を置きます。

進行に合わせて徐々に難易度を上げてください。

現在の能力よりも少し上の練習をし、コンフォートゾーンから飛び出す

限界的練習には、コンフォートゾーンの外に出て自分自身に挑戦することが含まれます。

成長と発達を促進するには、現在の能力をわずかに超えるタスクやスキルに取り組む必要があります。

時間と労力

限界的練習とは、単なる繰り返しではなく、集中して時間と労力を継続的に投資することです。

十分な練習時間を費やし、定期的な練習習慣を維持することが必要です。

ドイツ語の発音に限界的学習をあてはめると

ドイツ語の音をマスターする

ドイツ語の音声体系とその独特な音に慣れることから始めましょう。

日本語とは違う音に注目して発音を練習しましょう。

音声サンプルや発音ガイドを提供するオンライン リソース、チュートリアル、または言語学習アプリを使用します。

現在つかっている『ドイツ語発音マスター』は、発音記号別の発音を学び、次に紹介するミニマルペアも載っているのでオススメです。

ミニマルペアを練習する

単語の意味を変える可能性がある類似した音を区別することに取り組みます。

1つの音だけが異なる単語のペアであるミニマルペアを練習します。

たとえば、「Buch」と「Buchse」や、「Haus」と「Hose」。

対照的な音に注目して、それらを正しく言う練習を行います。

問題のある音に焦点を当てる

日本語話者にとって特に難しいドイツ語の音を特定します。

例としては、「r」音、「ch」音といった、さまざまな母音などが挙げられます。

精度を向上させるために、これらの特定の音に専用の練習時間を費やします。

ネイティブ スピーカーの真似をする

ドイツ語のネイティブ スピーカーの録音またはオーディオ サンプルを見つけて、発音を注意深く聞いてください。

彼らのイントネーション、リズム、アクセントを真似してみましょう。

発音の微妙なニュアンスに注意を払い、再現するよう努めます。

録音して自己評価する

自分がドイツ語で話しているのを録音し、その録音を聞きます。

自分の発音をネイティブスピーカーやモデルの録音と比較してください。

改善が必要な領域を特定し、それに応じて発音を調整します。

ぼくは、それぞれの発音記号に対しての発音を録音し、音源と比べてみて、5段階で評価をしました。

評価の低いものが自分の弱点なので、その弱点を集中的に練習しました。

フィードバックを求める

可能であれば、あなたの発音についてフィードバックを提供してくれる語学パートナー、またはドイツ語のネイティブスピーカーを見つけてください。

独自の専門知識に基づいてエラーを修正したり、改善をお願いしてみましょう。

個人的には、まだ人間のフィードバックを受けたことがないですが、Google Docsや、iPhoneのメモ帳で音声入力を起動し、言語をドイツ語に変更し、ドイツ語で発音してみる、ということを行っています。

正しく発音できていれば、意図した単語や文章が入力されます。

おわりに

限界的練習は、意図的な反復、複雑なスキルの分解、パフォーマンスの特定の側面を向上させるための集中的な努力が必要です。

言語学習やその他のスキル開発に限界的練習を組み込むことで、上達を加速し、より高いレベルの習熟度を達成できます。

練習は長時間やればいいというものではなく、常に「居心地の良い状態（コンフォートゾーン）」を少しだけ上回るものである必要があると教えてくれます。

今回まとめていて思ったのが、学習の一貫性が重要であるということ。

特定の音に焦点を当て、ネイティブスピーカーを真似し、利用可能なリソースを利用することで、ドイツ語でネイティブのような発音を達成することに向けて前進することができます。