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見事な満月をエンタメにしていた昔の人に嫉妬する

先日の9月15日は、見事な満月でした。

家の窓から月を見上げたのですが、その美しさとまぶしさに見とれました。

そんなときに、ぽっと湧いてきた感情が、昔の人への嫉妬心です。

このほどの美しい月を、宴を開き、お酒を飲みながら、エンタメとして楽しむ昔の人がうらやましく思えました。

平安時代あたりでしょうか。

過去の人々がどのように満月を楽しんでいたのかは、文献でしか確かめることができませんが、電灯のあかりもないので、いまよりも一層月が美しく見えたにちがいありません。

そして、9月15日の月は「中秋の名月(ちゅうしゅうのめいげつ)」とも呼ばれています。

以下のサイトによると、中秋の名月が登場する代表的文学は『竹取物語』。

物語のクライマックスで、かぐや姫が地上を離れる場面です。

そのときの月の明るさは、現実離れした迫力で描かれ、格別な空間を演出しています。

そして、もう一つの代表的作品が、ぼくも大好きな『源氏物語』。

まだ読んだことのない方は、マンガ『あさきゆめみし』から読み進めることをオススメします。

作品のなかで中秋の名月の日が登場するのは、主人公である源氏が最愛の妻・紫の上と死別するシーンとなります。

この場面ではあえて月には触れず、格別に美しい月も目に入らないほど源氏が動揺するさまをあらわし、悲しみの深さを強調しています。

このように中秋の名月は、昔から文学のなかでも、クライマックスを演出する舞台道具として活躍してきました。

当時は、トイレットペーパーもiPhoneもない時代なので、そのような時代に行きたいと、いままで思ったことはありませんでしたが、昔の人がどのようにこの月をめで、楽しんでいたのかを、一緒に体験してみたくなるほどの美しい月でした。

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