レビュー『トップガン マーヴェリック』
話題の『トップガン マーヴェリック』を観た。
一作目がヒットしたあとに出される二作目は、だいたいが凡作になるが、本作は類いまれなエンターテイメント性に満ちた作品!
本作を鑑賞するまえに前作も観たのだが、前作へのオマージュが多分に含まれており、十二分に楽しめた。
前作を観ていない人はぜひとも、前作を観てから本作を鑑賞することをおすすめする。
あらすじ
物語は、主人公のマーヴェリックが最新機のテストパイロットをしているシーンから描かれる。
しかし、そのプロジェクトが締結されることに。
というもの、戦闘機が無人のドローンに置き換わりつつあるからだ。
前作で描かれた「エリートパイロット」は、存在すら危うくなっていた。
そんな時、極秘ミッションのために、再び「トップガン」に戻り、若い精鋭パイロットたちの教官を任されることになる。
生徒たちは、腕はたつが問題児のハングマンや、かつての盟友・グースの息子であるルースターといった個性豊かな面々。
マーヴェリックは、グースへの痛恨の思いと、ルースターへの複雑な感情を胸に、再び困難なミッションに身を投じていく。
誰も死なせない
前作での最大の出来事は相棒グースの事故死。
前作では、仲間を失った悲しみを乗り越える、マーヴェリックの成長が描かれていた。
そんな成長をへた本作では、「誰も死なせない」という決意を固めた、成熟したマーヴェリックが描かれている。
そんな彼の大切な存在は、グースの息子であるルースター。
グースの代わりに「父」として、グースの息子であるルースターを気遣っていた。
しかしその気遣いが裏目にでてしまい、気まずい関係になってしまっている。
本作はレジェンドパイロットのヒューマンドラマとして、ルースターとの関係がすこしずつ改善される様が描かれている。
ザ・アメリカン
それにしてもトム・クルーズは相変わらずカッコ良い。
今年でなんと60歳だ!
そんなトムの、映画のなかでのカッコよさを列挙してみよう。
・MA-1を着てノーヘルでバイクを疾走
・精鋭の若手パイロットたちを一蹴
・半裸の生徒たちと一緒になって、半裸でビーチラグビー
・女性との行為のあとに、子供に見つからないように、ベッドのある2階から飛び降りる
「老いてもかっこいい」マーヴェリックの上記の行動だが、これは「若さへの強いあこがれ」だと思う。
個人的には、60歳になったときのカッコよさとして、上記の行動は全然カッコよいとは思わない。
しかしそれは、現代アメリカのおじいちゃんたちの描く、理想像なのかもしれない。
だとしたら本作は、トム・クルーズを通じて、アメリカ的カッコよさが体現されていり、アメリカ的なマッチョな欲を描き出されている。
それを見苦しいとみるか、さすがはアメリカとみるべきか、判断がつきかねているが、トム・クルーズだから許されるとは言いきれる。
おわりに
マーヴェリックと若きパイロットたとのち世代間交流や、平衡感覚を失う怒涛のドッグファイトが、最高の高揚感をもたらしてくれる作品。
年齢を重ねても常に限界に挑戦し続ける男マーヴェリック。
彼に影響され成長する教え子パイロットたち。
いったいぜんたい、鑑賞中に何回泣かされたことか。
冒頭のデンジャーゾーン。
前作でのライバルであるアイスマンの登場。
マーヴェリックが、戦闘機「F-14」(トムキャット)にルースターと搭乗。
そして、空中アクションがてんこ盛りで、老若男女誰が見ても楽しいエンターテイメントになっている。
またしばらくは「Highway to the Danger Zone」の歌詞が、頭のなかで鳴り響きそうだ。