リスクとっていますか?正しいリスクの取り方『身銭を切れ』ナシーム・ニコラス・タレブ
ナシーム・ニコラス・タレブという思想家をご存じだろうか。
「誰一人たりとも予想もしなかったインパクトのある事象」が起こる原因を原理的に明らかにした『ブラック・スワン』の著者だ。
そんな「不確実性」の大家である彼が、個人のキャリアについて書いた本が『身銭を切れ』。
意思決定や信頼性を高めるには、その行動が、実際のリスクや報酬に直結していることが不可欠と語っている。
本書ではまさにこの視点から、我々に新たなリーダーシップの在り方を提案している。
積極的なリスクを取ることではじめて、真に信頼される存在となれる。
たとえば、ある人が他人の資産を運用する場合、その人が失敗しても自分の資産が減るわけではない。
他人の資産が減るだけのため、リスクを負う意欲が低くなりがちだ。
このような状況では、意思決定者がリスクを背負わない限り、おおきな報酬にはたどりつけない。
また、「人が何を言っているか」ではなく、「人が実際に何を行っているか」を観察することの重要性も教えてくれる。
あるものを「どれくらい本気で信じているか」は、その人が「その信念を貫くために冒すリスク」を見ればわかるからだ。
著者が痛烈に批判するように、この世の中には「身銭を切らないたわごと使い」がたくさん存在するので、そのような人たちに騙されないようにしなければならない。
本書の主張はタイトルの通り「身銭を切れ」だが、その論理展開が斬新。
リーダーシップ、リスク、未知の未来に果敢に立ち向かうために、タレブの提案する身銭を切ることの重要性を理解し、実践することが不可欠。
『身銭を切れ』を読むことで、自らの信念と行動にリアルなリスクを結びつけ、成長を加速させる一歩を踏み出すことができる。
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