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書評『100歳までお金に苦労しない定年夫婦になる!』で将来を描く

老後に備えて年金の仕組みが知りたいと思い、以下の本を手にとってみた。

2018年の本だが、よくまとまっており「自分の場合、定年後、年金以外にどれだけのお金が必要になるのか」を知るために必要な情報を与えてくれた。

本書の中には簡易公式が紹介されており、公式を埋めていくことで、定年後の必要金額を算出することができる。

ぼくもGoogleスプレッドシートで早速計算してみたが、将来に必要になるお金の総額が分かったので、今後の計画を立てやすくなった。

以下、本書での学びと、本書を読むまで知らなかったことや、本書に登場した重要なファクトを紹介したい。

本書からの学び

1番望ましいのは、夫妻ともに健康なら65歳以降も働くこと

定年後は働かないのが普通だと思っていたが、著者が勧めているのは「夫妻ともに健康なら65歳以降も働くこと」ということだ。

そうすれば、収支がマイナスになりにくく、どちらか一方が先に旅立った場合でも資金に余裕ができ、将来もし年金が少なくなってしまった場合にも備えることができる。

好きなことや、自分に合うもの、楽しく続けられそうなものを選ぶのが大切だが、若いうちから、老後も仕事につながるスキルを習得することが必要だと思った。

現在はプログラミングを42Tokyoで学んでおり、そのままプログラマーになる予定なので、プログラマーであれば定年後も自宅で仕事ができるので、42 Tokyoに入学したのは良い選択だったと思った。

繰り下げ受給は、妻の分を繰り下げ受給にするのが正解

繰り下げ受給とは、65歳の支給開始年齢を70歳まで遅らせると最大47%も受給額が増えるという制度だ(1年あたり約8%受給額が増える)。

繰り下げをすることで受給額が増えたとしても、いつ自分の身に何が起こるかわからないので、65歳になったらすぐに年金を受け取ろうと漠然と考えていたが、妻の分のみ繰り下げ受給にするのがよいと著者はいう。

その理由は、一般的に女性のほうが長生きすること、夫が先に旅立ったときに遺族年金があれば妻の生活に安心感があること、 年金受給を繰り下げた場合、受給総額は12年後以降に、繰り下げなかった場合よりも増える、といったことが挙げられる。

知らなかったこと

年金の支給額=受取額ではない

一番の驚きは、「年金の支給額=受取額ではない」ということだ。

年休の支給額が課税額以上の場合は、年金から所得税や住民税が天引きされ、さらに健康保険料や介護保険料といった社会保険料も差し引かれる。

75歳以上は後期高齢者医療制度への加入もある。

年金の「付加保険料」がお得

また、年金の「付加保険料」がお得ということも知らなかった。

付加保険料は、国民年金の保険料に、月額400円の付加保険料を納めることで、年金の支給額が200円×納付月分ほど多くなるという制度だ。

1年間受け取れば元が取れるため、断然お得の制度だ。

これはいままで知らなかったので、早速入りたいと思う。

ただ、国民年金基金に加入している人は付加年金を選択できないので注意が必要だ。

重要なファクト

・65歳まで生きた人の中で男性の約4分の1、女性の約半数は90歳まで生きる。
・そこからさらに1割弱の男性、約4分の1の女性は95歳まで生きる
・国民年金は65歳から支給開始
・葬儀費用の平均は約196万円
・繰り下げ受給は1年あたり約8%受給額が増える。
・65歳の支給開始年齢を70歳まで遅らせると、最大47%も受給額が増える
・年金受給を繰り下げた場合の受給総額は12年後以降でプラスに変わる
・最大で70歳まで5年間繰り下げられる
・80代前半で約3割、80代後半では6割以上の人に介護や支援が必要となる(生命保険文化センターのデータ)
・介護期間の平均は約5年間
・手すりをつける、介護用品それなどの一時的な費用が平均約80万円
・月々に要する平均介護費用は約8万円
・介護は上記を合わせて合計約550万の出費
・現在75歳以上の老人では、4人に1人は要介護状態だ
・日常生活に支障がでる期間の平均は男性は約9年、女性は約12年(健康寿命と寿命の差)

まとめ

本書を読むことで、いままで漠然と「定年後はこうしよう」と思っていたものをより明確化することができた。

たとえば、定年後に働くべきなのかどうか?という問いには、そもそも定年後に必要になる額を知ることが必要であるし、基本的に1番望ましいのは夫妻ともに健康なら65歳以降も働くことだ。

それに年金の繰り下げ受給はするべきか?という問いにも、本書はガイドラインを与えてくれ、将来を描くのに役に立った。

本記事では取り上げなかったが、介護費用が具体的にどれぐらいかかるかや、相続税を下げるための施策などでも本書は解説しており、高齢の両親を持つ人や、子供がいる人にもおすすめだ。

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