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私が見た中で1番愛護的な口鼻腔吸引

私が勤めている訪問看護事業所は看護師経験のある人だけなので、最近では看護師に吸引の方法を説明することはほとんどありません。ただ、介護スタッフに向けて3号研修などの研修で口鼻腔内吸引、気管カニューレ内の吸引の説明をすることがあります。
その時に吸引するポイントの1つとして「愛護的に行う」ことを話します。
チューブを口や鼻や気管カニューレにつっこまれるなんて、必要がなければかなり暴力的な行為です。できるだけ負担がないようにの一つに「愛護的に行う」ということがあります。「愛護的に行う」「適切なタイミングで行う」の継続はお互いの信頼関係にもつながり、吸引の拒否やそこからくる大暴れもなくなったり少なくなったりします。前にお薬の話で書いた時と同様笑顔も大切ですが、愛護的にという気持ちはとても大切です。

愛護的にってどうすればいいんですか?と普通に質問を受けたこともあるのですが、気持ちだけでなく手技の適切さもとても大切でこの子に挿入するのにどうすれば1番負担ないかということを既に吸引をしてるご家族やスタッフに聞くことも大事です。

以前、吸引が頻回に必要なお子さんのところに訪問に行っていた時のことです。そのお子さんは咳をすると丁度痰を口腔内の手前あたりまでしかあげられないことが多かったので、咳をするとお母さんもしくは私など訪問看護師がいる時は看護師が速攻で吸引をしてる状態が続いてました。徐々に咳やそのタイミングも良くなってきて、そんなに速攻でしなくてよくなったある日、買い物から帰宅したお母さんとお話ししてると、後ろでコンコンと咳の音が、、、。特に強い咳でもなく、吸引しなくても大丈夫かなーとのんびりと振り返ると、3歳になる弟くんが「にーに きついねー」とやわらかく声をかけて、丁度いい感じの方向にチューブを優しくもって笑顔で挿入するぞーってとこでした。「ありがとう、私がするね」とその場は交代したのですが、録画しときたかったと思うほどの愛護的な吸引動作でした。いつも急なことが多くてこんなほんわかと吸引することは私もお母さんもあまりなく、だ、、誰の真似でもないってこと??と、お母さんと2人で教えなくてもつらいことをするってのはわかるんだねと話してました。本人は「できるのに!」とかなり不満気でしたが、、、。愛護的は教わるものではなく備わるものなのかもしれません。それでも私たちはあえて意識的にしないといけません。

吸引の研修の時もこの話をするのですが、手技を覚えるだけでなく、そういう心遣いも覚えて欲しいなーと思っています。

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