放射化学

【放射化学】

さて、さっそく1章目の放射化学から始めていきましょう!
ちゃんと授業を受けていないと知らない単語だらけでちんぷんかんぷんの放射化学ですが、出る問題の種類がかなり限られてくる教科なので、覚えることもほかの教科より断然少ないです。怖がらず挑んでみましょう!
これだけは絶対に覚えろっていうところを太字にしてますのでそこはちゃんと読んでくださいね!

有効半減期

まずは有効半減期から。
放射線核種が崩壊し、最初の核種の数の半分になる時間を「物理的半減期」
放射性核種が生体に入った後、1/2になるまでの時間を「生物学的半減期」
といい、この2つが合わさった効果を示すのが「有効半減期」です。

式はこれだけ!簡単ですね。
しいて言えば、有効半減期を問われたとき、最後に逆数を戻すのを忘れないように気を付けてくださいね!

コメント 2020-01-30 191312

放射平衡

さて、次は放射平衡についてです。
放射平衡は放射化学では定番の問題です!
放射平衡には、「過渡平衡」と「永続平衡」があります。

過渡平衡:
娘核種より親核種の半減期が長い。(T1>T2)※親がT1、娘がT2
崩壊定数を問われる問題がありますが、崩壊定数は半減期に反比例するので、過渡平衡では(λ1<λ2)と不等号が逆になります。
放射平衡では親と娘の「放射能比」が一定になります。
※放射能比=単位「重量」あたりの放射能。
よく出る過渡平衡
99Mo→99mTc 、 68Ge→68Ga

永続平衡:
娘核種より親核種の半減期がものすご~~~く長い。(T1<<T2
壊変定数は(λ1<<λ2)になります。
永続平衡では親と娘の「放射能濃度」が等しくなります。
※放射能濃度=単位「容積」あたりの放射能。
よく出る永続平衡
137Cs→137mBa 、 90Sr→90Y 

核種の生成

さて、お次は核種の生成について。
生成にはサイクロトロン、原子炉、ジェネレータがあります。
サイクロトロン生成核種だけでも覚えておきましょう!
PET用ポジトロン核種 11C、13N、15O、18F
SPECT用核種 111In 201Tl 67Ga 24Cr 57Co 123I (インテルがクロコの兄さん(23)よう(ヨウ素))
原子炉で生成される核種は、3H、14C、60Co、と、↑以外の原子番号が90、135周辺の核種です。


ちなみにポジトロン核種はβ+崩壊、SPECTはEC、原子炉はβ-崩壊をします。(SPECTという文字の中にはECが含まれてるので覚えやすいですw)

ジェネレータは放射平衡を利用した核種の入手方法で、親核種をアルミナなどの吸着剤に吸着させておき、娘核種を分離する方法です。
ジェネレータから娘核種を分離することをミルキングといいます。
ジェネレータの問題では99Mo-99mTcについての問題しか出ませんので、これをしっかり押さえましょう!
99Mo-99mTcの半減期はそれぞれ66時間と6時間で、「過渡平衡」が成立しています。
99Moをアルミナカラムに吸着させておき、生理食塩水を用いて99mTcを99mTcO4-の形で溶出させます。
ミルキング後、娘核種が極大値(最大の放射能)を示すのは約23時間後です。


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