映画ヘルタースケルターレビュー

まず最初に、主演女優の薬物事案での逮捕に触れなくてはなりません
作品に罪はあるか?の議論に則ってお応えさせていただくと、作品に、罪がある、状態を全く認識出来ない故、作品に罪はない、の立場をとらさせていただきます。

それではここからヘルタースケルター忠実再現レビューになります

冒頭、ゴールデンハーベスト社の映画が始まったと思うほど情念がこもったオープニング

監督は皆さんご存知、マルサの女に登場する関東蜷川組の蜷川組長のご令嬢、蜷川実花。時折りドスを抜いて交渉にあたる流儀は父親譲り

主人公リリコは、アメコミ怪人ザ・マミーのコスプレイヤーとして名を馳せたのち、受け答えが出来ると言う理由から、桃井かおり演じる女社長が経営する芸能事務所に籍をおくことに。

じつはザ・マミーのコスプレをしていたのはリリコのしたたかな打算

水面下で、かなり大掛かりと思える医療組織の手により、目玉、感覚器官、および爪、程度を残した全身整形術を受けた身

この医療組織は堕胎した胎児から胎盤はおろか、筋肉組織、や皮膚を人工的に生成する技術もあるものと思え、なんでもご用意仕掛けは御覧じろのやばやば組織

そんなリリコも全身整形による免疫不全を免れる為に免疫抑制剤を使用

普通、免疫抑制剤は腎臓に多大な影響を及ぼす為、人工透析は避けられませんが、本作品ではオールカット。
蜷川実花監督のアンチ透析のなみなみならぬ意欲が窺える

そしてザ・マミーのキャラを脱ぎ捨てたリリコは一躍時代の寵児に

あっちでチヤホヤ
こっちでチヤホヤ

しかしそんなリリコのマネージャーさんが、寺島しのぶという逆差別
リリコが寺島しのぶをいいようにあしらうのだが、血統で言えば、お侍の振りをした賎民が貴族を鞄持ちにしているような違和感
しかしこれも蜷川実花監督の倒錯した美意識

そんなある日、リリコはメーク時におでこにある黒いアザを発見
ここから同時並行的に物語は楳図かずおの洗礼にシフトチェンジと見せかけ、関東蜷川組の底力でシフトバック

急いで医療組織の相談に
桃井かおりはそこで、見た目がレズの女医からキッツイお薬を処方してもらう

リリコは時折りそのキッツイお薬、ニアリーイコールシャブをキメるようになる

リリコの仕事は映画やドラマや、雑誌の表紙にインタビューと、一言で言えば田舎芸者の生活を謳歌する
時々添えるシャブの煙は味の素

そんな田舎芸者としてのこの世の春を満喫していたリリコの後輩に、同じく田舎芸者に憧れるセンズリ女、こずえが登場

このこずえ、食えない女で、虚無的ながら、媚びと透かしの合わせ技で、じわじわリリコの存在を脅かす

自然リリコは一発キメて現実逃避
この頃になるとアブリでは効かなく道具(ポンプ)を使いこなし、手のひらで静脈をハタハタさせるのは秋田美人

その頃イケメン検事グループ、ランナウェイがリリコを手術した医療組織の犯罪行為に目をつける

そんなことを知らぬ田舎芸者リリコは彼氏のつもりでいた男が、政治家の次女と婚約した事実にゲキオコプンプン丸
いつもより濃い目の一発をたまらず静注

アブリではなく道具を使う者特有のほこりから、支配下に置く寺島しのぶとその恋人に婚約相手の女性の顔に硫酸をぶっ掛ける

これはつまり神戸芸能社の美空ひばりにかけられた塩酸を関東蜷川組の作品内で、硫酸に変えでぶっ掛けがえすという、ヤクザ得意の江戸の仇を長崎で打つパターン

イケメン検事グループ、ランナウェイからも事件の主犯として追われ、センズリ女こずえからもおったてられるリリコは、とうとう道具を使ってもシャブさえ効かなくなり、水筒の熱湯にパケの中身ぶち込み、そのお湯をまさかの浣腸!

リリコ復活!!

じわじわとリリコを追い詰めるランナウェイを引き寄せて引き寄せて、、
静かに右手で左手を引き抜くように動かすと、そこにはサイコガンが!

リリコに引きつけられたランナウェイ、逃げ場もなくなり、哀れリリコのサイコガンの餌食に。

サイコガンで全精力を使い果たした廃人のリリコを見下ろす寺沢武一のキャップには、美しかったころのリリコの姿がありましたとさ。。

ハウス加賀谷

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