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「もうすぐ死にます」を見て電車でボロボロ泣いた

韓国語を習い始めて、韓国語に耳を慣れさせたいと思い、プライムビデオで韓国ドラマを見ようと思いました。なんでもよかったのですが、「死」というテーマに惹かれて、「もうすぐ死にます」というドラマを見始めました。

※以下、ネタバレ含む

すごいドラマだった

つらい生活に別れを告げるべく自殺した青年チェ・イジェが、罰として自分じゃない人の体に転生し、12回死ぬという話です。おれがどんな罪を犯したっていうんだ、と不服ながらも、イジェはその人の死を回避しようと奮闘します。
でもどうしても死んでしまう。

財閥の力が強い韓国の闇も描かれたり、死に様がグロテスクだったり(血がいっぱい出てくる)、うわ〜と思いながらも続きが気になり、やめられず見続けました。

そして終盤を電車で見て、ボロボロと涙が止まらなくなってしまったのでした。

イジェは誰にも迷惑をかけずに死んだのだから何が悪いんだと思っていましたが、自分の死を心から悲しむ母親や恋人の存在を他人の体に転生した状態で知ります。
その大切な人たちに自分の気持ちを伝えたくても伝えられない、それが死なのであると悟ります。

特に母親は、息子が死んだのは自分のせいで、自分は母親失格だと思っています。イジェには来世は違う人のところに生まれて幸せに生きてほしいと願いますが、イジェは来世もお母さんの子どもに生まれたいと思っています。それを伝えたくても伝えられない。

母親というのは、自分の体の中で育て世に送り出した子どものことになると、何か悪いことがあれば自分のせいと思ってしまうところがあるよな、とわたしの母親のことを考えて思いました。

母親から、ごめんね、と何度も言われました。

死にたいなあと(軽めに)思ったことが幾度となくありましたが、結局は家族のことを想って踏みとどまれていたと思います。自分の死によって、大切な人たちに地獄の悲しみを味わわせることになる、という頭ではわかっていたことが、ドラマで描かれることで、心からの実感としてわかりました。

すごくメッセージ性の強いドラマでしたが、これは自殺防止になると思いました。言葉で「自殺はいけないよ」と言っても、陳腐に聞こえることが多いですが、ドラマで感情を揺さぶられながらのメッセージだと、心に響きます。

わたしには響きすぎて、電車のなかでボロボロ泣いてしまいました。(でも自分が思っているより人は他人のことを気にしてないので、泣いても大丈夫!)

いつ死ぬかわからない不安

このドラマを見て、絶対に自殺はしない、と心に決めて生きていけるのと同時に、人間はいつ死ぬかわからない、という事実もまた強く印象づけられました。世の中は危険がいっぱいで、自分や大切な人たちがいつ死ぬかわからないというのがすごく怖くなりました。

そして、まだすごく身近な人の死を経験したことがなく、親をいつ亡くすのか、それをわたしは乗り越えられるのか、という恐怖・不安が小学生の頃からあります。

この恐怖や不安は特に寝られない夜に襲ってくることが多いです。結婚してとなりに夫がいても、大切な人が増えたので、不安は増えてしまいます。

いつか必ず死ぬけど、いつ死ぬかわからない、という事実に気づくと、世の中がとても恐ろしいもののように思えてしまいます。

不安への対処は他のことに集中するに限ると思いますが、夜中にそういう不安に襲われてしまうと、しばらく抜け出せなくなります。

昨日死ななかった、今日も死ななかった、だから明日も死なない。そうやって日々を積み重ねた先に、穏やかに死ねることを願っています。

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