規約で気になる消費者契約法・基本ガイド|免責条項
規約をつくるときに知っておいた方がいいものとして、免責条項の無効を定める消費者契約法8条があるんですが。
条文が長くて何が書いているか読みにくいんですよね。
とはいえ、規約をつくるときに知らないでは中々済まないことが多いので、意味をきちんと理解して、規約の読み解きや作成に役立ててみませんか?
免責条項の無効(1項)
8条は1項~3項までありますが、1項は、免責条項の無効を定めています。
1号~4号がありますが、以下のような並びになっています。
債務不履行に基づく損害賠償の免責条項
全部免責の無効(1号)
一部免責の無効(2号) ※故意又は重過失の場合
不法行為に基づく損害賠償
全部免責の無効(3号)
一部免責の無効(4号) ※故意又は重過失の場合
内容としては要するに、事業者が負うべき損害賠償の全部免責は無効になる、ということが書かれています(1号と3号)。
一方、一部免責に関しては、故意または重過失による損害賠償についての一部免責は無効になる、ということが書かれています(2号と4号)。
逆にいうと、軽過失(=重過失を除く過失)の場合の一部免責は有効ということになります。
詳しい解説はブログにまとめていますので、リンクからぜひご覧ください🔗
契約不適合における免責無効の除外(2項)
債務不履行のうち契約不適合責任に関しては、一定の場合に、免責無効の除外規定があります。それを定めているのが2項です。
つまり、免責条項が無効にならないということです。
追完請求(修補請求、代物請求、不足分引渡請求)等が可能な場合は、消費者にも救済手段が残されているため、免責条項の無効を適用しない、ということが書かれています。
サルベージ条項の無効(3項)
先ほど見たように、軽過失(=重過失を除く過失)の場合の一部免責は有効です。
これに関して、3項は、一部免責を定めるのなら、故意または重過失の場合には適用されない旨(軽過失の場合にのみ適用される旨)を明記しておきなさい、ということを書いています。
例えば、
みたいなフワッとした表現(免責範囲が不明確な条項)だと、必ずしも法的知識が必ずしも十分でない消費者にとって、どういう場合に通常の損害賠償請求ができて、どういう場合に制限されるのかがよくわからないためです。
結び
以上、規約で気になる消費者契約法・第8条(免責条項の無効)の基本ガイドでした。
この8条と10条を合わせて、要するにポイントは4つだよというブログ記事を書いています。