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養生訓巻第二総論下 鳳凰堂流解釈⑨

原文を現代文に改変
心は楽しむべし。苦しむべからず。身は労すべし。休め過ごすべからず。

凡そ我が身を愛し過ごすべからず。美味を喰い過ごし、芳醞を飲み過ごし、色を好み、身を安逸にして、怠り臥す事を好む。皆これ我が身を愛し過ごす故に、反って我が身の害となる。

又無病の人、補薬を妄りに多く飲んで病となるも身を愛し過ごすなり。子を愛し過ごして子の災いとなるが如し。

鳳凰堂流意訳
心は楽しむべきであり、苦しむべきではない。身体は動かし、働かせるべきであり、休めるべきではない。

自分の身体を愛して過ごすべきではない。うまいものを食べ過ぎたり、うまい酒を飲み過ぎたり、色欲に耽ったり、身体を休める事ばかりして、するべきことをせずに横になる事ばかり好む。

これらは全て自分の身体を愛し過ぎている事が、反って自分の身体を害する事になっている。

また、病んでいないのに、薬を妄りに多く飲んで病となっているのも身体を愛しすぎている事の中に入る。子供を愛し過ぎて、結果的に子供の災いとなるようなものである。

鳳凰堂流解釈
欲を抑えると言う事は、表面の心は苦しくなる事があります。今が普通なので、何かを減らすと苦しくなります。

散々心を苦しめる事を書いていましたが、ここに来て心は楽しむべきであり、苦しむべきではないと書いています。

この点は現代の人には本質が理解しにくいことと思います。

心、欲も何層かに分類できます。身体、気の循環と対比されているのは、表面の心、欲の部分。つまり、本当にすべき事なのかどうかであり、今まで生きてきた中で本当は不要な欲の部分はそぎ落とすべきですが、その人の本性が求めている事はするべきだと考えています。

現代の人は無駄に働き過ぎの傾向にあり、働かなければ不安という人もいます。そんな人は絶対に休むべきです。但し、無駄な労働、自分の小さな欲を達成する為の行動は省いていく事も大切。そんな風に解釈しています。

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