養生訓巻第一貝原篤信篇録 総論上 ④ 鳳凰堂流解釈
[原文を現代文に改変]
養生の道としては内欲を堪えるのが基本。
この基本、土台がしっかりすれば元氣が強くなり外邪に犯されない。
内欲を慎まず、元氣が弱ければ、外邪に破れやすく、大病となって命が保たれにくくなる。
内欲を堪える際の大な目安は飲食の節度を上手い具合に保つ事。
脾胃を破り病を発する物を食べないこと。
色欲を慎み、精気を惜しみ、時が来てないのに夜の営みに励まないこと。
長く眠る事を戒め、長く安坐せず、時々身体を動かして、氣を巡らすべし。
特に食後は必らず数百歩歩行すべし。
もし長く安坐し、又食後に寝そべり、昼寝し、まだ消化してないのに、早く寝れば、気が滞り病を生じ、これが習慣化していくと、元気が起こらなくなり弱くなる。
常に元氣を減らさないよう惜しんで、
言葉少なく、感情をコントロールし、七情感情の中でも、いかり、かなしみ、うれい、思いを少なくすべし。
欲を抑え心を平らにし、氣を柔らかくして荒くせず、しずかにして騒がしからず、心は常に和楽なるべし。
憂い苦しむべからず。皆内欲を堪えて元氣を養う道なり。
又、風寒暑湿の外邪を防ぎて破られず、これ内外のあまたの慎みは養生の大なる条目なり。これを良く慎み守るべし。
鳳凰堂流解釈
内欲と外邪をコントロールする事が養生の基本。
とりわけ、日々浮き沈みする内欲、感情を制御できれば、外邪にもかかりにくいと言っています。
但し、現代は音楽、美術、お笑い、芸術等少しであれば生きる欲望、明日への活力となるはずのものですが、多種多様に氾濫していますので、大変難しい時代でもあります。
先ずは自分の心が足るを知る事が大事なのではないかと考えています。