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養生訓 巻第八 灸 鳳凰堂流解釈④
原文を現代文に改変
艾炷の大小は各其人の強弱によるべし。壮(さかん)なる人は大なるがよし。
壮數もさかんなる人は多きによろし。虚弱にてやせたる人は、小にしてこらえ易くすべし。多少は所によるべし。
熱痛をこらえがたき人は多くすべからず。大にしてこらえがたきは氣血をへらし、氣をのぼせて甚害あり。
やせて虚怯なる人、灸のはじめ熱痛をこらえがたきには、艾炷の下に鹽水を多く付け、或いは鹽のりをつけて五七壮灸し、其後常の如くすべし。この如くすればこらえやすし。
猶もこらえがたきは、初五六壮は、艾を早く去るべし。この如くすれば後の灸こらえやすし。
氣升る人は一時に多くすべからず。
明堂灸經に、頭と四肢とに多く灸すべからずと言えり、肌肉うすき故也。又頭と面上と四肢に灸せば小さきなるに宜し。
鳳凰堂流意訳
艾炷の大きさは各人の強弱による。
強い人は大きい方が良い。
壮数も強い人は多い方が良い。
虚弱でやせた人は、小さくしてこらえ易くする方が良い。数は場所にもよる。
熱痛をこらえがたい人は多くしない。大きくてこらえがたい場合は氣血をへらし、氣をのぼせて非常に害があるからである。
やせて虚怯な人て、灸のはじめに熱痛をこらえがたい場合は、艾炷の下に塩水を多く付け、或いは塩のりをつけて五七壮灸し、其後通常通り灸する。このようにすればこらえやすい。
それでもこらえにくい場合は、初めの五六壮は、艾を早く取る。このようにすれば後の灸こらえやすい。
氣が昇る人は一時に多くしてはいけない。
黄帝明堂灸経に、頭と四肢とには多く灸するべきではないと書かれている。肌肉がうすいからである。又頭と顔の上と四肢に灸する場合は小さい方が良い。
鳳凰堂流解釈
灸の大きさや壮数について書かれています。
黄帝明堂灸経から引用されていますが、
柳谷素霊先生はたしか黄帝三部鍼灸甲乙経が日本にはないので紹介すると著書に書かれてい記憶があります。
黄帝三部鍼灸甲乙経は黄帝内経・素問、霊枢、黄帝明堂灸経を基礎に皇甫謐が著した書。
貝原益軒が既に知っていたと言う事は、江戸時代にも希少ながら輸入されていたのでしょう。