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養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈56
原文を現代文に改変
利藥を久しく煎じつめては、消導發散すべき生氣の力なし。
煎じつめずして飪(にん)を失わざる、生氣あるを服して病をせむべし。
たとえば茶をせんじ、生魚を煮、豆腐を煮るが如し。
生熟の間よき程の飪(にえばな)を失わざれば、味よくしてつかえず。
飪を失えば味あしくしてつかえやすきが如し。
鳳凰堂流意訳
利薬を長く煎じつめると、消導發散すべき生氣の力がなくなる。
煎じつめずに煮えばなを失わず、生氣がある状態で服用して病を攻めるべきである。
たとえば茶を煎じたり、生魚を煮たり、豆腐を煮るようなものと同じ要領である。
生と熟の間で丁度良い程のにえばなを失わなければ味も調和しているのでて支えない。
煮えばなを失うと、味が悪く支えやすくなるようなものである。
鳳凰堂流解釈
利薬に関する微妙な加減の要領を書いています。
鳳凰堂は味噌汁を作る要領に似ていると感じます。
沸騰させると、味噌の風味が落ちるだけでなく、含まれているアルコールが飛び、アミノ酸等一部の成分が壊れる可能性があると言われています。
鍼では、気を得る感覚をどうするか?
或いは気を得るのか、響かせるのか、気を得る手前で気が食いつくのを待つかと言ったような感覚と類似しています。