(10)医心方 巻二十七 養生篇 用氣第四 鳳凰堂流解釈
千金方からの引用
調気法
千金方には次のように書いている。調氣法は、万病を治し、大きな病で眉、髪を失っても100日で眉、髪を生じる位である。
調氣の法は、夜半の後、日中の前に生まれる気で調える事ができる。日中の後、夜半の前は気が死んでいるので整える事ができない。調氣の時には、厚く柔らかい布団に仰臥し、枕の高さを下げて身体と同じにする。手を伸ばし、脚を伸ばし、両手は拇指の節を握り、身体から離す事四〜五寸。両脚も同様に離す。気を引くには鼻から入れて、足れば止め、力があればしばらく引く。そうして気を止めて閉じ、口から細々として吐き出す。尽きれば又鼻から細々と引き入れるのである。
又、毎旦起きて、午に向かい、両手を膝上に伸ばし、心眼で気の頂から入れて湧泉に降り、達するのをイメージする。毎日このようにすることを送氣と呼ぶ。常に鼻を使って気を引き、口から気を吐く。出る気を少なく、入れる気を多くする。
鳳凰堂流解釈
今回は時間の合わせ方について千金方から引用しています。
千金方の著者は、孫思邈。孫真人(仙人)と呼ばれた人です。医心方の大部分は彼の伝えてくれているものから引用しています。
夜半の後、日中の前は
昔は1日を十二時辰(十二支を使った二時間毎)で表し、子の刻(23時〜次の日の1時頃まで)に次の日に使うためのエネルギーが生まれると考えられていた為、
その時間にエネルギー量を増やせば、寝ている間に回復力として使える事を伝えてくれているものです。
旦に起きて、午に向かいとは
日の出と共に起床し、南に向かって身体全体を伸ばす事で、太陽の光を吸収するように書かれています。
チベット密教では五体投地
ヨガでは太陽礼拝(ターダ・アーサナ、ウルドゥヴァ・アーサナ、ウッターナ・アーサナの循環)等と言われているものです。
大切な事は様々な方法で、色んな場所にちりばめられています。
名前は違っても皆同じ。
名為名、非常名(名の名為るべくは、常の名ならず)と老子が教えてくれています。