養生訓 巻第三 飲食上 鳳凰堂流解釈㉜
原文を現代文に改変
衰病虚弱の人は、常に魚鳥の肉を味良くして少しずつ食うべし。
參茋(じんぎ)の補に勝れり。
性よき生魚を烹炙(ほうしゃ、にあぶる)良くすべし。
鹽(しお)つけて一両日過ぎたる尤も良し。久しければ味良からず。且つ滞りやすし。
生魚の肉鼓につけたる炙煮て食うも良し。夏月は久しく保たず。
鳳凰堂流意訳
病で気が衰え、虚弱になっている人は、常に魚鳥の肉を味良くして少しずつ食うと良い。
人参や黄耆の補に勝つ。性味が良い生魚を烹炙して更に良くする。
塩につけて一両日過ぎたものが最も良い。
しばらく置きっぱなしにするとが落ちると同時に気が滞りやすくなる。
生魚をつけこんで炙煮て食べるのも良い。
夏は長く持たない。
鳳凰堂流解釈
魚や鳥の肉類は胃で消化し、水穀の気としたものを脾、肝へと直ぐに転化し、使う事ができる為、
回復食に入れる事は良いが、生魚は取り扱いに注意が必要な為、その注意事項が書かれています。
この点は調理する人にとっては当たり前でもあるので、それほど必要ではないと思いますが、時代背景を考えると知識人は自ら調理する事がなかった為、敢えて書いたのではないかと思います。