養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈64
原文を現代文に改変
諸香の鼻を養う事、五味の口を養うがごとし。
諸香は是をかげば正氣をたすけ、邪氣をはらい、悪臭をけし、けがれをさり、神明に通ず。
いとまありて、静室に坐して香をたきて黙坐するは、雅趣をたすけて心を養うべし。
是亦養生の一端なり。香に四品あり。たき香あり、掛香(かけこう)あり、食香(しょくこう)あり、貼香(つけこう)あり。
たき香とは、あわせたものの事也。からの書に百和香と云う。
日本にも古今和歌集の物の名に百和香をよめり。
かけ香とは、かおり袋、においのむなどを云う。
貼香とは花の露、兵部卿など云う類の身につくる香也。
食香とは食して香よき物、透頂香、香茶餅(こうさべい)、團茶(だんさ)など云う物の事也。
鳳凰堂流意訳
あらゆる香りが鼻を養う様は、五味が口を養う様と似ている。
あらゆる香りはかげば正氣をたすけ、邪氣をはらい、悪臭をけし、けがれをさり、神明に通じる。
時間があり、静室に坐わって香をたき黙坐するのは、雅趣をたすけ心を養う事になる。これも養生の一端である。
香には四品ある。たき香、掛香、食香、貼香である。
たき香とは、焚いて嗅ぐもの。中国の書には百和香と書かれている。日本にも古今和歌集の物の名に百和香を詠んだものがある。
かけ香とは、かおり袋、においのむ等のことである。
貼香とは花の露、兵部卿等と言われる類の身につける香である。
食香は食べて香りがよいもの、透頂香、香茶餅、團茶などと呼ばれているものである。
鳳凰堂流解釈
香りは瞑想時に使ったり、
上着に塗香(ずこう)を付けるくらいですが、実体験からも気を様々な形で生み出し流す力はあります。
但し、自身に合う香りを見つけられる事が前提です。