養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈⑦
原文を現代文に改変
良醫の藥を用ゆるは臨機應變とて、病人の寒熱虚實の機にのぞみ、其時の變に應じて宜に從う。必ず一法に拘らず。たとえば善く戦う良將の、敵に臨んで變に應ずるが如し。かねてよりその法を定めがたし。時にのぞんで宜にしたがうべし。されども古法をひろくしりて、其の力を以て今の時宜にしたがいて變に應ずべし。古をしらずして只今の時宜に從がわんとせば、本なくして時宜に應ずべからず。故を温ねて新をしるは良醫なり。
鳳凰堂流意訳
良医の薬は臨機応変に用いられ、病人の寒熱虚実に臨み、その時の変化に応じて良い方向へ従う。必ず一つの方法には拘らない。
たとえば良く戦う良將が敵に臨んで変に応じるようなものである。事前にその方法を確定するのは難しく、時に臨んで良い方法に従うのが良い。
しかし古法を広く知り、その力で今のその時の良い方法にしたがって変化に応じるべきである。
古法をしらずにただ今良いとされているもなだけに従うと本質的なものを見失い、その時の良い方法には対応できていない。
温故知新、全て知り、理解した上で新しい基準を創ったり、理解しているのが良医と言える。
鳳凰堂流解釈
人にはそれぞれ分と言うものがある、と言うのが専門と言われる第一段階。第二段階となるとその専門の過去を知り、未来へ繋ぐ。第三段階では専門外と専門とを繋ぐ事と考えています。
いわゆる太極の一解釈であり、これを分解したのが守・破・離。
太極が確定すれば、他のたくさんの太極と重ね合わせる事で、象が見えてきます。
理で大切なのは、象とのすりあわせ。
医を行う為に、先ず思考の柔軟性と感性、理論を広く(陰・坤)深く(陽・乾)持つこと。