見出し画像

養生訓 巻第七 用薬 鳳凰堂流解釈62


原文を現代文に改変

丸藥、上焦の病には細にして、柔らかに早く化し易きがよし。

中焦の藥は小丸にして堅かるべし。

下焦の藥は大丸にして堅きがよし。

是頤生微論(いせいびろん)の説なり。

又湯は久しき病に用ゆ。

散は急なる病に用ゆ。

丸はゆるやかなる病に用ゆる事、

東垣が珍珠嚢(ちんしゅのう)に見えたり。

鳳凰堂流意訳

丸薬は、上焦の病には粉末にして、柔らかくすることで早く化しやすくするのが良い。

中焦の薬は小丸にして堅い方が良い。

下焦の薬は大丸にして堅い方が良い。

これは頤生微論(いせいびろん)の説である。

又湯薬は慢性的な状態に用いる。

散薬は急性疾患に用いる。

丸薬はゆるやかな病に用いる。

これは李東垣の珍珠嚢(ちんしゅのう)に書かれている。

鳳凰堂流解釈

頤生微論の著者は、李中梓(1588~1655年)。明末清初の人物で、字は士材、号は念莪や尽凡とされています。

幼少期から身体が弱く、仕官の道を途中で断念し、医を志し、先賢医家の書物を研究しながら漢方臨床を行い、独自の理論を立てた人。

後に、門人の沈朗仲が校訂し、≪ 删補頤生微論≫と改名されて1642年に刊行された。

三奇(精、気、神)、医宗、先天、后天、審象、運気、臓腑、虚労、邪祟、傷寒、広嗣、婦人科、薬性、医方、医案等24論に分けられ、広範囲に論じられているが、分類が少々煩雑である。

いいなと思ったら応援しよう!