鍼灸大成 巻一 鍼灸直指 鳳凰堂流解釈⑰
原文
刺瘧者,必先問其病之所先發者,先刺之。先頭痛及重者,先刺頭上及兩額、兩眉間出血頭謂上星、百會,額謂懸顱,眉間謂攢竹等穴是也
先項背痛者,先刺之風池、風府、大杼、神道
先腰脊痛者,先刺 中出血
先手臂痛者,先刺手少陰、陽明十指間;
先足脛酸痛者,先刺足陽明十指間出血。
風瘧,瘧發則汗出惡風,刺三陽經背俞之血者。 酸痛甚,按之不可,名曰 髓病。以 針針絕骨出血,立已。
身體小痛,刺至陰。諸陰之井,無出血,間日一刺。瘧不渴,間日而作,刺足太陽,
渴而間日作,刺足少陽。溫瘧汗不出,為五十九刺。
鳳凰堂流意訳
刺瘧に鍼をする場合は、必らず先ずその病が起こった場所を聞いて、そこへ刺す。
先ず頭痛や頭風があれば、頭上及び兩額、兩眉間から血を出す。頭は上星、百會。額は懸顱、眉間は攢竹等の経穴である。
先ず項背痛があれば、風池、風府、大杼、神道に刺す。
先ず腰脊痛があれば委中から血を出す。
先ず手腕痛があれば手少陰、陽明の十指間に刺す。
先ず足脛酸痛があれば、足陽明十指間から血を出す。
風瘧とは瘧が起こって汗が出て惡風があるもののこと。この場合は三陽經背俞から血を出す。
酸痛が酷く、押せないような場合は髓病と言う。針で絕骨から出血させればすぐに治癒する。
小さな痛みであれば、至陰に刺す。
あらゆる陰経の井穴は血を出さない。陰陽が争っている間に刺す。
瘧で口渴がなく陰陽が争っている間は足太陽に刺す。
口渴があり陰陽が争っている間は足少陽に刺す。
溫瘧で汗がでなければ五十九刺を行う。
鳳凰堂流解釈
間日而作と言う言葉の解釈が難しいが、症状が出ても、進行していない間ととっている。