養生訓 巻第四 飲酒 鳳凰堂流解釈⑩
原文を現代文に改変
焼酒は大毒あり。多く飲むべからず。火を着けて燃えやすきを見て、大熱なる事をしるべし。
夏月は伏陰内にあり、又表開きて酒毒肌に早く漏れやすき故、少し飲んでは害なし。
他月は飲むべからず。焼酒にてつくれる藥酒多く呑むべからず。毒にあてらる。
薩摩のあわもり、肥前の火の酒、猶辛熱甚だし。異國より來る酒飲むべからず。性知れず、いぶかし。
焼酒を飲む時も、飲んで後にも熱ものを食すべからず。辛きもの、焼味噌など食うべからず。熱湯飲むべからず。
大寒の時も焼酒を温め飲むべからず。大いに害あり。
京都の南蠻酒も焼酒にて作る。焼酒の禁と同じ。焼酒の毒にあたらば、緑豆粉、砂糖、葛粉、鹽、紫雪など、皆冷水にて飲むべし。溫湯を忌む。
鳳凰堂流意訳
焼酒には大毒あるので多く飲むべきではない。火を着けて燃えやすければ大熱がある。
夏は隠れた冷えが内にあり、又体表が開いて酒毒が肌に早く漏れやすい為、少し飲むのは害がない。
他月は飲んではいけない。焼酒にてつくれる藥酒も多く呑んではいけない。毒にあてられる。
薩摩のあわもり、肥前の火の酒は猶辛熱甚だしい。異國から來た酒も飲んではいけない。性質が分からず、怪しい。
焼酒を飲む時も、飲んだ後にも熱ものを食べてはいけない。辛いもの、焼味噌など食べてはいけない。熱湯を飲むのも避ける事。
大寒の時も焼酒を温めて飲んではいけない。非常に害となる。
京都の南蠻酒も焼酒で作る。焼酒の禁と同じ。
焼酒の毒にあたった際には、緑豆粉、砂糖、葛粉、鹽、紫雪など、全て冷水で飲む事、さ湯は禁忌。
鳳凰堂流解釈
前項で書いた焼酒の禁忌が詳しく書かれています。
大熱が問題としていますが、常飲すると全ての酒は痰湿の元となると考えています。
養生訓 巻第四 飲酒 鳳凰堂流解釈終
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